[お断り]当blogに書かれた内容はすべて矢野個人の意見であり、矢野が所属するいかなる組織とも関係ありません。 NY Timesにマンキュー教授が「マイナス金利」政策について論じた記事が出ました。 Economic View - It May Be Time for the Fed to Go Negative - News Analysis - NYTimes.com http://www.nytimes.com/2009/04/19/business/economy/19view.html 内容は当blog読者の皆さんにはおなじみの 不況というのは人々が現金を抱え込んでしまって、それを消費したり投資したりしてくれないことが原因の一つである。 通常の場合であれば、中央銀行が短期名目金利を低下させることによって、それを回避して景気を回復させることができる。 しかし、今回の経済危機においては
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先日荻上チキさんと話していて投げかけられた質問は, 「経済学者って何であんなに偉そうなんですか?」 というもの.あぁぁぁぁもう自分も含めて思い当たる節が多すぎる.その時は茶飲み話だったんでたいした話はしませんでしたが,実際どうなんだろ. 僕の仮説は経済学帝国主義みたいな意識.経済学帝国主義って言うのは,ざっくり言うと「進んだ理論的的基礎と分析・実証手法をもつ経済学」を「他の社会科学に注入しなければならない」っていう意識です.経済学の啓蒙やメディアでの発言をする経済学者はこの意識が高いからこそ啓蒙やメディアで発言するわけです.僕自身もこの意識がないと言ったらウソになる……得に日本では経済学の適用範囲が狭く限定されすぎていると日々感じます.んで,多くの人は布教のノウハウがないから外から見てると「偉そうで押しつけがましい」ということになるんじゃないかしら. そしてもっと悪いのは,経済学帝国主義と
池田先生は、日本の所得格差(ジニ係数)は図のようにOECD諸国の平均よりやや高い程度で、最近は低下している。とおっしゃっているようですが、厚労省の所得再配分調査によれば、2005年調査分のジニ係数は再分配前で0.5263、再分配後で0.3873であって、いずれも2000年調査より上昇しています。 非正規労働の範囲拡大で若年労働者を中心に給与水準が低下した反面、株式配当率が上昇した(中高年正規労働者の所得がその分上昇したわけではありません。)わけですから、所得再分配前の不平等が大幅に拡大するのは避けられないことです。そのあたりの事実から目を背けてみても仕方がないように思います。 そのことを肯定的に捉えるか否かは人によって違いがあるとは思います。純粋に経済学的見地から見れば、生存に必要なだけの所得を得られない人が(餓死するなり自殺するなりして)市場において淘汰されることは資源の最適分配をもたら
■ [economy]経済学1.0のススメ 昨日のエントリに対してDan Kogaiさんからご批判をいただきました。早速リジョインダーをと思うのですが、正直申し上げるならwebmasterはDanさんがお使いのバズワーズをどこまで正確に理解しているか、自身不安でなりませんので、誤解に基づく不当な主張がある可能性が多分にあるとの前提でお読みいただければと思います。そうしたwebmasterの主張をご指摘いただいた際には、謝罪の上訂正させていただきます(今回だけそうだ、というわけではないのですが、為念)。 bewaad institute@kasumigaseki(2006-11-02) 裏返せば、アウトプットが同じであれば、投入するリソースがそれだけ少なくて済むということになります。それだけを聞けば結構なこと、という印象を持たれる方も多いかもしれませんが、投入するリソースとは、お金であり、技
ここでのやりとりを見ていて思ったこと。 http://bewaad.com/20061103.html#p01 もう経済成長はいらないとか、お金だけがだいじなのではない、とかを他人に対して(それはたとえば「日本は」とか「人々は」とか「先進国は」といった表現になることも多い)口走る連中は、みんな衣食足りているどころか飽食している人々だということ。そしてその人々が、そのだいじでないはずのお金を手放そうとしたりすることはおそらくほとんどないということ。 が、それより重要なこととして、そうした人々の多くは想像力が欠如していること。経済成長ってことの意味がまったく理解できていない。 ぼくたちが経済成長するということは、別にぼくたちがお金を貯め込むということではない。たくさん生産して、その分たくさん買うようになるということだ。そしてその買う相手は日本だけじゃない。アメリカやアジア、各種発展途上国もある
先日のエントリに関連して一番多かったコメントが「経済成長なんて出来るの」というものでした.そこで,経済成長についてちょっとしたメモを*1. まず,単に「経済成長」ではちょいと抽象的過ぎる.こいつにまずは取り扱いが容易な定義を与えましょう.経済成長とは「ある国の国民*2が経済的に豊かになっていくこと」です.経済的な豊かさは「国民がどれだけの財・サービスを購入できるor貯蓄できるか」できまる.ということはそれを計る指標は実質GDP(実質国民所得)ということになります*3. でも,ここで「待てよ」と思うかもしれない.「国民って何よ?」という疑問.「日本国民って人」がいるわけじゃあないですよね.もう少し実感にあわせるなら「平均的国民の経済的な豊かさ」ってことになるでしょう.すると,実質GDPよりも一人当たり実質GDPが経済成長の定義としては優れている. こうまとめると,人口減少だから経済成長しない
雇用問題についての取材は、まだまだ続く。きのうは地上波テレビ局から出演の要請があったが、「私の名前はブラックリストに入ってますよ」と答えたら、さすがにNGになった。しかし地上波局まで「正社員の既得権」というアジェンダを意識し始めたことは、大きな前進だ。次の本でもテーマの一つにする予定なので、ジャーナリストのために経済学の基本的な考え方を紹介しておこう。短期の問題だけを考えてはいけない:「解雇規制を緩和したらクビを切られる社員がかわいそうだ」という同情論は、桜チャンネルの司会者からリフレ派まで広く分布しているが、これは短期の問題だけを見ている。長期的な自然失業率への影響を考えると、サマーズも指摘するように、「労働者保護」の強化は必ずしも労働者の利益にならない。 解雇規制を強めることは失業率を高める:ゲーム理論で考えると、解雇規制を強めることは正社員の雇用コストを高め、失業率を高めるのは自明
JBpressにちょっと変な記事があったのでdisっておくことにする。世界が日本をどう見ているか、まず己を知ることから始めよう 1月3日の読売新聞第1面で、ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン米プリンストン大学教授が「日本は2等国のトップ」と明言しています。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/439この読売の記事はweb上にもあったがすでに削除されている。が、Googleのキャッシュに残っていた。キャッシュの魚拓は取れないみたいなんで、消えてしまわないよう以下長いけど全文引用しておく。規制なき市場経済ない…ノーベル賞・クルーグマン教授語る激動のうちに2009年は明けた。国際社会は、金融危機の拡大と世界不況に苦しみ、新自由主義と米国一極集中に限界が見え始めている。 国内では、政治の混迷が続き、未曽有の経済苦境から抜け出せない。この危機にどう立ち
ここ数年読んだ新書の中でもベスト5に入るきわめてすぐれた著作。構造改革路線(小さな政府と規制緩和=トリックルダウン方式)への対抗軸を出しているし、本書ではほとんど重視されていないが、マクロ経済政策(リフレ政策)とも調和できる見解だと思う(マクロ関係が弱かったり間違っているように思うがそれはこちら?で修正できると思う)。 僕はリフレ政策でマクロ経済政策を転換しないと、いかなるセーフティネット政策のレジーム転換も失敗すると思っているので、その意味でも本書のような「大きい政府、格差縮小」を目指し、かつ世代間対立を深刻化させないでソフトランディングするためには、いまの(資産価格をターゲットにした日本銀行の事実上のデフレ政策を転換する)リフレ・レジームが必要だと考えている。 ちなみに日本ではなぜか誤解されてるけれども、小さい政府=規制緩和というのは間違った認識で、労働者や社会的弱者を厚く保護する=大
長い題名の通りでございます。書いて下さったみなさまどうもありがとうございます。雑誌「WEDGE」での大竹文雄さんの論文に関するエントリもあります。田中秀臣さんの文章を読んだ後であの煽りというか釣りみたいな題名の特集はまるで買う気が起きなかったのですが、大竹文雄さんはなかなか興味深い提言をしておられた模様です。■経済学者の田中秀臣さんのエントリとすなふきんさんのエントリなど●雇用流動化論というまやかし(田中秀臣さん)この田中さんの文章を読んで「なるほど!」と思いました。さすがプロ!シンプルかつわかりやすいです。●パイを増やそうとしない破綻主義者たちについて(すなふきんさん)上の田中秀臣さんのエントリを受けてのものですが、「不況下の雇用流動化論というのは要するに増えない労働需要の中で人間をたらい回しにしていくだけの話で、本質的な解決になっていないのはバカでもわかることなのに、なんでそんなものに
『昭和恐慌の研究』のダイジェスト版 Lessons from the Inoue Zaisei and the Takahashi Zaisei Two Decades after the Plaza: A Package of Mixed Blessings Japan’s Great Recession (Yutaka harada &Shigeki Onishi ) The Role of Preconceived Ideas in Macroeconomic Policy: Japan's Experiences in the Two Deflationary Periods,( Hamada, Koichi & Asahi Noguchi) Was the Great Depression the Watershed of Macroeconomics? (Masazumi Wa
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