1つの直接支払いの継続と1つの直接支払いの導入が決定された。中山間地域等直接支払制度と農地・農業用水などの資源保全のための直接支払いである。 EUの条件不利地域直接支払いやWTO農業協定上の「緑」の政策の要件を参考としながら、中山間地域等直接支払いが「食料・農業・農村基本法」の目玉として2000年度から導入された。中山間地域では傾斜や小区画などという生産条件の不利性により耕作放棄が増加しているため、直接支払いという手法により生産条件の不利性を直接に補正することとしたものである。 これはわずか300億円程度の国の予算で実施されたが、全国の関係者の努力により中山間地域の活性化と農地の保存に制度設計者の予想をはるかに上回る成果を挙げている。財政当局の担当者が座右に掲げる“小額多効”の模範例である。1906市町村で、3万3331の集落協定が締結され、66万5000ヘクタールの交付面積となっている。