今の日本の若者には、韓国文化好きな人が多い。だから、そのうち日韓関係は自然に改善するはずだ。心配はいらない――。最近、日韓関係に関する有識者セミナーに出席すると、こうした楽観論をしばしば耳にする。出席者は中高年のベテランが大半で、実際に若い人たちに話を聞いたうえで述べているわけではないようだ。特に韓国側でこのような期待が高まっている印象がある。 その見立てが正しいのかどうか知りたくて、私はソウル駐在を終えて帰国したこの3年あまり、日本のさまざまな学生に尋ねてきた。取材を重ねていくと、学生たちも、複雑な感情を抱えている様子が浮き彫りになった。キーワードは、この夏に話題となったある書のタイトルにある「モヤモヤ」だった。モヤモヤの実態とは。日韓関係の未来は、本当に明るいのだろうか。 文化と政治のはざまで「モヤモヤ」する若者たち 若者や女性を中心に日本で韓国文化が浸透していることは、既に広く知られ
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