自民党の勉強会で、報道機関に圧力を掛ける発言が出た問題は各方面で物議を醸した。ただ本稿では、その発言の是非を論じるつもりはない。僅か4年間だが、沖縄に住んだ一人の新聞記者として、見聞きした沖縄での世論形成の実情を報告し、その背景を探れればと思う。 丸4年間の沖縄生活で常に驚かされたのは、地元メディアの時には目を覆いたくなるばかりの報道ぶりだった。地元紙二紙「琉球新報」「沖縄タイムス」の紙面には、1年を通して米軍基地反対を訴える記事が載らない日はない。ほかにもニュースはあるだろうに……と注文をつけたくなるほどだった。しかも、イデオロギーに支配されているのではないかと疑いたくなる記事がいかに多いことか。東京時代、一部新聞の偏向報道に辟易したこともあったが、それ以上だった。偏向報道というより恣意的な世論操作ではないか--という印象すら持った。 私が沖縄に赴任したのは、民主党政権が発足した直後の平