ブックマーク / www.cinra.net (12)

  • 米ドラマは「中絶」をどう描いてきたか。「現実離れ」した描写から、医療行為として描く方向に | CINRA

    メイン画像:ドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』の衣装を着て、リプロダクティブライツを求める集会に参加する女性たち。テキサス州にて 「世界は『侍女の物語』のようになっていく、という言い方に関しては、ずっと暴論だと思ってきました」「この物語は想像上のものだと考えていたのです。でも、当に考え方が変わりました。私たちはいま、宗教過激派の台頭に直面している」(*1) ドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』の脚家の言葉だ。『エミー賞』を受賞したこの作品は、キリスト教原理主義国家となったアメリカにおいて「子を産むための奴隷」とされた女性たちを描いている。つまるところ「現実離れ」したSFジャンルだが、配信が開始された2017年当時、反中絶派の宗教保守層から支持されるドナルド・トランプ政権に対する抗議運動のシンボルにもなっていた。 ジョー・バイデン政権期の2022年、アメリカはより『侍女の物

    米ドラマは「中絶」をどう描いてきたか。「現実離れ」した描写から、医療行為として描く方向に | CINRA
  • ウォン・カーウァイ『ブエノスアイレス』。男性同士の愛を描いた重要作を3つの視点で再考 | CINRA

    『欲望の翼』(1990年)や『恋する惑星』(1994年)など、1990年代から数多くのヒット作に恵まれた香港の映画監督ウォン・カーウァイ。その主要5作品が4Kレストア版として生まれ変わり、8月19日より日国内で順次公開される。新たな光が色鮮やかに照らす珠玉の作品群のなかでも注目したいのが、今年公開25周年を迎える『ブエノスアイレス』(1997年)だ。 香港の男性同士の実らぬ愛を描いた作に対する公開当時の批評や配給・興行の状況は、HIVの出現によって深刻化した同性愛嫌悪もあって決して自由なものではなかったといえよう。たとえば韓国では、同性愛のテーマを理由に、倫理委員会による輸入審議で同作が「不合格」の判決を受け、劇場公開が大幅に遅れたのだという。 そのような状況にもかかわらず『ブエノスアイレス』は、香港を含む東アジアの映画史において最も重要な「ゲイ映画」の一つとして今日まで高い国際的評価

    ウォン・カーウァイ『ブエノスアイレス』。男性同士の愛を描いた重要作を3つの視点で再考 | CINRA
  • 中絶は「恥」ではない。実体験をもとにひとりの女性を描いた『セイント・フランシス』主演の想い | CINRA

    レズビアンカップルのもとでナニーとして働きはじめる34歳の女性ブリジットを描く『セイント・フランシス』。8月19日公開のこの映画は、性や身体にまつわるさまざまな対話を私たちに提示してくれる。それは映画においてだけではなく、私たちが実際に生きている生活においても、なかなか詳らかにできずにいた対話だ。この映画を観た多くの人たちが、きっと劇場を出たあとにすぐ誰かと話をしたくてたまらなくなるだろう。 『セイント・フランシス』が決して絵空事ではなく、わたしたちの生そのもののリアリティをとらえられているのは、主演・脚を務めたケリー・オサリヴァンが自身の人生を色濃く反映させているからかもしれない。今回行なったインタビューで、オサリヴァンは中絶など女性の身体のタブーを巡る問題、同性愛と異性愛、そして自分の物語を語ることの重要性について共有してくれた。 ―作は女性の身体の問題をひとつのテーマにしていなが

    中絶は「恥」ではない。実体験をもとにひとりの女性を描いた『セイント・フランシス』主演の想い | CINRA
  • ハリウッドのロマコメ映画はなぜ衰退し、どう再興を遂げたか? 多様化するジャンル映画が映すもの | CINRA

    「かつて結婚仕事上の取引であり愛はなかった いまはそこでつまずくところだ」 「ずっと信じてきたの 女性に不利なルールを 『プロポーズを待って男の条件に従う』……いまこそ改革しないと」 新作映画『マリー・ミー』における男女のやりとりは、まさにロマンティックコメディー的だ。 「ロマコメ女王」としても名高いジェニファー・ロペスが演じる人気歌手キャットは、コンサート中に婚約者の浮気が発覚し、慌てて目についた観客の一人にプロポーズしてしまう。上記の会話は、無茶な婚約をして記者会見を開いた二人が掲げた「結婚観改革」……つまるところ、主に女性向けの恋愛ファンタジーを提供するロマコメ映画にありがちな、非現実的シチュエーションといえる。しかし、旧時代の結婚観を批判する内容は、ジャンルそのものが置かれる現在の境遇も表しているかもしれない。 「驚異的に白く、信じられないほど異性愛主義」 いまではこのような言葉

    ハリウッドのロマコメ映画はなぜ衰退し、どう再興を遂げたか? 多様化するジャンル映画が映すもの | CINRA
  • 『グレーテルとヘンゼル』が掲げる脱・わざとらしい子供向け演劇 | CINRA

    「人工的でわざとらしい演技をする児童劇はいらない」——そう力を込めて語るのは、世界各地で子供たち向けて上演を続けているカナダ・モントリオールの劇団ル・カルーセルの演出家、ジェルヴェ・ゴドロ。巷に溢れる子供向けの演劇に対し異を唱え、戯曲家のスザンヌ・ルボーと共に、観客の対象を問わない演劇を43年にわたって送り出してきた。 そんなル・カルーセルの代表作のひとつ、『グレーテルとヘンゼル』が、この夏KAAT神奈川芸術劇場で上演される。この戯曲は、誰もが知っているグリム童話『ヘンゼルとグレーテル』の兄と妹の関係を、姉と弟に置き換え、普遍的なきょうだい関係の物語に昇華したものだ。 グレーテルとヘンゼルの役に選ばれたのは、映画『リバーズ・エッジ』(2018年、監督:行定勲)で重要な役割を演じた土居志央梨と、俳優・小日向文世の長男で、俳優活動を始めたばかりながら個性を発揮している小日向星一。注目の俳優2人

    『グレーテルとヘンゼル』が掲げる脱・わざとらしい子供向け演劇 | CINRA
  • 『ハスラーズ』の怒り。オスカー候補から漏れた事実も物語と共振 | CINRA

    主要部門が「白人と男性」ばかりだった『第92回アカデミー賞』候補 『第92回アカデミー賞』が物議をかもしている。ノミネート陣が予想以上に「白人と男性」ばかりだったためだ。 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のグレタ・ガーウィグがはずれた監督部門はすべて男性が占めた。役者部門に関しては20人中19人が白人。『フェアウェル』のオークワフィナや『アス』のルピタ・ニョンゴなど、受賞が期待された有色人種の姿が無かった。 なかでも、最大のサプライズとされたのは、助演女優賞部門におけるラテン系シンガー兼女優、ジェニファー・ロペスの落選である。女性版『グッドフェローズ』と喝采を呼び、昨年アメリカ国内で『ロケットマン』『アリータ:バトル・エンジェル』を超えるヒットを記録した『ハスラーズ』でカリスマ的ストリッパーを演じた彼女は、オスカー前哨戦のフロントランナーであった。放送局ABCが製作した『

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  • 長塚圭史がM・マクドナー『ハングマン』演出 小川絵梨子の翻訳で日本初演 | CINRA

    舞台『ハングマン』が5月に埼玉・彩の国さいたま芸術劇場、東京・三軒茶屋の世田谷パブリックシアターほかで上演される。 2015にロンドンで初演され、翌年に『ローレンス・オリヴィエ賞』最優秀作品賞に輝いたマーティン・マクドナー作の舞台『ハングマン』は、「1965年の絞首刑廃止の余波」をブラックユーモアを交えて描いた作品。1963年のイングランドで、刑務所の絞首刑執行人ハリーが冤罪を訴える連続婦女殺人犯に強引に刑を執行するが、死刑制度が廃止になった1965年に事件の真犯人であることをにおわせるロンドン訛りの男がハリーの前に現れるというあらすじだ。 日初演となる今回は長塚圭史が演出。長塚がマクドナー作品の演出を務めるのは同作で4作目となり、これまでにマクドナー作品で『第4回朝日舞台芸術賞』『第14回読売演劇大賞』優秀演出家賞などを受賞している。翻訳は小川絵梨子が担当。キャストは後日発表される。

    長塚圭史がM・マクドナー『ハングマン』演出 小川絵梨子の翻訳で日本初演 | CINRA
  • 韓国の女性アイドルがフェミニズム小説を読んで「炎上」 渦中の作品とは | CINRA

    メイン画像:Red Velvet。中央がアイリーン。 フェミニズム小説を読んだ女性アイドルが巻き込まれた議論 韓国のガールズグループRed Velvetのメンバー・アイリーンが、ある小説を読んだと話したことで議論の渦中に置かれている。 ことの発端は、3月半ばにソウルで行なわれた彼女たちのファンミーティング。そこで最近読んだを聞かれたアイリーンはチョ・ナムジュの小説『82年生まれのキム・ジヨン』と答えた。 『82年生まれのキム・ジヨン』は、韓国に生きる30代の女性の日常をリアルに描き、フェミニズム小説ともカテゴライズされている小説。アイリーンがこの作品を読んでいることを知った一部の男性ファンたちが、オンラインフォーラムで「彼女に失望した」「ファンイベントに行くために金を使った男性ファンに中指を立てるのか?」などと書き込み、彼女の写真を燃やしたり、写真を切り裂いたりした画像を投稿し始めるなど

    韓国の女性アイドルがフェミニズム小説を読んで「炎上」 渦中の作品とは | CINRA
    saebou
    saebou 2018/03/28
    この小説、翻訳してほしいな。
  • 来日中のビョークが語る本音「今の時代の変化を歓迎しているの」 | CINRA

    6月29日から日科学未来館で開催されるVR(バーチャルリアリティー)音楽体験展示プロジェクト『Björk Digital―音楽VR・18日間の実験』のために来日しているビョークに、対面で直接話を訊く貴重な機会を得ることができた。 真っ赤なボディースーツに真っ赤なフワフワした飾りのついた普段着(!)に身を包み、筆者が座っていたソファーの端にちょんと腰掛けた、相変わらず妖精のような容姿と仕草のビョーク。その周囲には、非現実的な空気が漂っていたが、いざ話を始めると極めて現実的で具体的。恐ろしいほどの頭の回転の速さと率直さで、筆者の質問にすべて答えてくれた。その会話の内容は、今回の展示『Björk Digital』と、そのベースとなった昨年のアルバム『Vulnicura』の話にとどまらず、自身のキャリアを総括するような音楽論から、2016年の音楽シーンの話まで多岐にわたった。 アーティストとい

    来日中のビョークが語る本音「今の時代の変化を歓迎しているの」 | CINRA
  • 満席でも赤字の演劇事情。それでも公的資金で上演する意味とは? | CINRA

    ここ数年、日の作・演出家や、国内の状況を色濃く反映した演劇作品が、ヨーロッパやアジアの演劇祭に次々と招聘されている。そのきっかけとして、国内のアーティストと海外のプロデューサーらの出会いの場となっているのが、舞台芸術の国際見市である『TPAM(国際舞台芸術ミーティング in 横浜)』だ。 かつて、日のパフォーミングアーツを海外で成功させるには、マイムやマジックやスポーツの要素を導入するなど、言語に頼らないノンバーバルな表現にすることが必須だとされてきた。それが現在のような状況になったのはなぜなのか? 国内外の舞台芸術シーンを20年以上にわたって見てきた『TPAM』ディレクターの丸岡ひろみに、いま「日の演劇」が世界から求められている理由を、国内外の状況や公共との関係から聞いた。 いま、「日の演劇」がキテいる? ―近年、日の作・演出家の舞台作品が海外で上演されることが非常に増えてい

    満席でも赤字の演劇事情。それでも公的資金で上演する意味とは? | CINRA
  • 同性婚から見えた「芸術」と社会運動の距離 西尾佳織インタビュー | CINRA

    2011年の『フェスティバル/トーキョー11』公募プログラムで、『おねしょ沼の終わらない温かさについて』を上演。その後も目覚ましい活躍を続ける劇団・鳥公園の西尾佳織は、今年の『フェスティバル/トーキョー14』(以下『F/T14』)において、同性婚をモチーフにした作品『透明な隣人 ~8 -エイト-によせて~』を上演する。 当初のアナウンスでは、ゲイの政治家ハーヴェイ・ミルクの生涯を描いた映画『ミルク』の脚で『第81回アカデミー賞脚賞』を受賞した、ダスティン・ランス・ブラックの戯曲『8 -エイト-』を上演すると発表していた西尾。2009年、2組の同性愛カップルがカリフォルニア州を提訴し、同性婚の権利を勝ち取るまでを描いたこの作品は、遅々として法整備が進まない日において、同性婚を考える上でも意義のある上演になると予想されていた。 しかし、西尾はその戯曲から離れ、『8 -エイト-』をモチーフ

    同性婚から見えた「芸術」と社会運動の距離 西尾佳織インタビュー | CINRA
    saebou
    saebou 2014/11/16
    「芸術とアクティヴィズムは異なる」というの、個人の芸術観としてはあるだろうがたぶん最近の流行は違う気が… http://on1.zkm.de/zkm/stories/storyReader$8502
  • ヴェンダース監督作が爆音上映、ルー・リードが本人役で出演&音楽は元CANリーダー | CINRA

    映画『パリ、テキサス』や『ベルリン・天使の詩』などで知られるヴィム・ヴェンダースの監督作品『パレルモ・シューティング』が、9月3日から東京・吉祥寺のバウスシアターで公開される。 同作は、世界的な写真家を主人公に据えたロードムービー。ドイツのデュッセルドルフからイタリアのパレルモへの旅を中心に、「生と死」や「愛」といった古典的なテーマをヴェンダース流に描いている。キューバ音楽のドキュメンタリー映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』をはじめ、音楽との深い関わりをもつ同監督だが、この『パレルモ・シューティング』のストーリーでも音楽が重要な役割を果たしているという。 キャストには、主人公のカメラマン役をドイツの人気バンド「DIE TOTEN HOSEN」のメンバーであるカンピーノが演じるほか、これまでにもヴェンダース作品に登場経験のあるルー・リードが人役で登場する。また、2010年に逝去したデ

    ヴェンダース監督作が爆音上映、ルー・リードが本人役で出演&音楽は元CANリーダー | CINRA
    saebou
    saebou 2011/07/13
    おお。パレルモが舞台なのか。
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