巷に「わかんねー」という感想が溢れるイーガンのハードSF作品群ですが、一部には内容に踏み込んで面白がってる読者層もおります。 なぜ分かるのか。実はカラクリがありまして、読んでその場で考えてるんじゃないのです。既に考えたことある話なのです。 たとえばクロックワーク・ロケット、作者が「次回作は物理の方程式の符号を一つ変えた宇宙の話です」と公表した時の自分のblog記事:http://d.hatena.ne.jp/ita/20091110 この記事に書いたような話は、実際作中で登場人物たちが議論を行っています。なのでそのあたり、普通は頭を抱える部分が「あーそうねーそうねー」と答え合わせをしながら流し読みするだけで済むので、考えなくていいのです。時間と空間が全く等価な宇宙がどのようになるか、なんて話も『白熱光』やら『対称』やらで何度も出てきた話なので、「分からない」というのが全く分からない、ですね