ブックマーク / traindusoir.hatenablog.jp (30)

  • ソーシャル・ブックマークによって破壊されるブロゴスフィア - 備忘録

    はてなブックマークに代表されるソーシャル・ブックマーク・サービスは、個人がお気に入りのウェブ・サイトをブックマークするというその来の機能を超えて、多様な機能を持つようになっている。そうした機能として代表的なのは次の二つだろう。 第一に、ブックマークされたサイトに関するコメントを書き残し、それが多くの人の目に触れることである。ブログには、通常、読者がコメントを書き残せる仕組みがあるが、最近問題となったのは、ブログ主が気に入ったコメントだけを残し批判的なコメントを削除することで、コメントが検閲されてしまうことである。*1この点、ソーシャル・ブックマークはブログ主に管理されることなく、検閲を受けることもない。*2ソーシャルな空間の中で自分のコメントを残せるというのは一つのメリットといえるだろう。 第二に、多くの人に注目されたエントリーには、多くのブックマークがつく。つまり、雲霞のごときエントリ

    ソーシャル・ブックマークによって破壊されるブロゴスフィア - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/10/01
    「ソーシャル・ブックマークは優れた内容のエントリーをスクリーニングしてくれる一方で、面白く過激な極論に惹かれる傾向も別の一面としてもっている」最近は後半に書いてある面が目立つように思う
  • 流動性をめぐって──竹森&クルーグマンの議論から - 備忘録

    ※注記を追加しました。(09/28/09) (前回のエントリー) 竹森俊平「資主義は嫌いですか それでもマネーは世界を動かす」 先日のエントリーでは、竹森俊平「資主義は嫌いですか」の第1部の内容を整理するとともに、今後の世界経済と我が国経済の行く末について考えた。 資主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす 作者: 竹森俊平出版社/メーカー: 日経済新聞出版社発売日: 2008/09メディア: 単行購入: 14人 クリック: 153回この商品を含むブログ (79件) を見る その後、その帰結部分を読み返しているうちに、まるで貨幣経済はバブルとともに終焉を迎えることを予言するかのような記述があるのを見つけた。これは、その後のリーマン・ショックを予言しているようでもあるが、むしろ、リーマン・ショック後の経済の行く末についても、そう簡単に見通せるようなものではないことを予感させる

    流動性をめぐって──竹森&クルーグマンの議論から - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/10/01
    世界経済は、長期的な安定の時代から不況が当然のように生じ得る時代に移り替わろうとしている(かも知れない)、「政府の役割」は、長期的な成長に寄与する成長戦略よりも、財政・金融政策の方が重要なのではないか
  • 子育て世帯に対する子ども手当の支給は、少子化対策の正攻法ではない - 備忘録

    ※id:ari_satoさんのエントリーにコメントしました。また、ブックマーク等で子ども手当が第2・3子の出産支援に役立つとのコメントがみられますが、2000年から2005年の間の有配偶女性の産む子供の数が増加した要因(0.05)のうち、第2子の寄与は0.02、第3子以降の寄与は▲0.01であり、これらの合計はやはり増加寄与になります。(09/09/25) 合計特殊出生率とは、一般に、一人の女性が一生に産む子供の数、という定義で知られている。しかし実際には、15〜49歳の女性について年齢ごとに1年間の出生率を求め、それを合計した「期間合計特殊出生率」の数値が広く流通している。 日の合計特殊出生率は、上図のように1970年代以来下がり続けているが、その低下の要因についてさまざまな場面で語られているものの、常にその議論は忘れ去られているような気がする。最近でも、民主党の子ども手当と少子化問題

    子育て世帯に対する子ども手当の支給は、少子化対策の正攻法ではない - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/09/25
    合計特殊出生率の要因分析。有配偶女性の産む子供の数が減少した要因よりも女性の有配偶率が減少した要因の方がすっと大きい
  • 竹森俊平「資本主義は嫌いですか それでもマネーは世界を動かす」 - 備忘録

    主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす 作者: 竹森俊平出版社/メーカー: 日経済新聞出版社発売日: 2008/09メディア: 単行購入: 14人 クリック: 153回この商品を含むブログ (79件) を見る ※若干修正しました。また、平家さんのコメントを受け、追記を追加しました。(09/18/09) ※注記を追加しました。(09/28/09) 書が出たのは2008年の秋、リーマン・ショック以後の急激な経済の変動が生じる直前であり、サブプライム・ローン問題がベアスターンズ救済によって人口に膾炙し、米国の金融機関が抱える損失についての不透明感がさらに高まりつつあった時期である。書では、リスクと不確実性、バブルと流動性といったキーワードを媒介としながら、著者が注目する経済学者のこの金融危機に対する解釈が流れるように論じられており、読後、第一に感じたのは、もっと早く読んでおく

    竹森俊平「資本主義は嫌いですか それでもマネーは世界を動かす」 - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/09/19
    恥ずかしながら、第2部の途中くらいで止まったまま。
  • 「デフレ」の意味するもの−補足 - 備忘録

    08/05/09付けエントリーにid:himaginaryさんからトラックバックをいただきました。 http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20090819/behold_nominal_gdp この中に「名目GDPを国内需要デフレーターで割ると、実質GDIにほぼ等しくなる」との指摘があります。これを数式によって展開すると 交易利得≒(名目GDP/PD)−(名目GDP/PD+F) PD:国内需要デフレーター、 PD+F:GDPデフレーター となります。交易利得(=実質GDI―実質GDP)は、輸出入価格の差による所得の実質移転額であり、例えば、輸入物価が高騰しPD>PD+Fという状況になった場合、交易利得はマイナスになります。 id:himaginaryさんは、ここからさらに「国内需要デフレーターがGDPデフレーターよりも実需に即していたと主張することは、名目GDP

    「デフレ」の意味するもの−補足 - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/09/15
    実質GDPと実質GDIの推移。実質GDPと実質GDIの乖離は2004年頃から次第に大きくなり、2004年の後半から、実質GDIの動きは名目GDPの動きにかなり近くなる
  • 潜在GDPの試算 - 備忘録

    ある日銀関係者の潜在GDPに関する話が話題になっていたので、試算してみました。*1計算は、GDPギャップを推計する際に比較的標準的に使用される生産関数アプローチによるものですが、各種の仮定をおいた独自推計です。稼働率調整は、非製造業の資ストックを含め可能な範囲で行っています。 潜在GDPは、基的には長期的には高まることになりますが、1990年代に入るとその伸び率は明らかに鈍化し、今回の経済危機では、ついに減少することになりました。そのコンポーネントを詳細にみると、労働、特に労働時間の極端な低下がその主因となっています。ただしこれには、スムージングにHPフィルターを使っていることによる技術的な要因が作用しています。 それはそれとして懸念点ではありますが、現実のGDPの縮小はさらに大きなものです。このような状況では、財政による前例のない需要創出策は必須なものだといえます。*2一方、規制緩和

    潜在GDPの試算 - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/08/23
    生産関数アプローチを使った潜在GDPの推計。今回の経済危機で減少しているように見えるが、実際のGDPの落ち込みはそれ以上に大きい
  • ジョセフ・スティグリッツ「倫理的なエコノミスト」(1) - 備忘録

    ※コメントいただいた点について、随時修正を行います。 いま、猪木武徳「戦後世界経済史」を読んでいるのですが、はしがきに次のような記述がありました。 滞っていた書の執筆に踏み切れたのは、中央公論新社の新書編集部の高橋真理子さんに「構成目次」をお渡ししてから七年の歳月が流れてしまったことにわれながら驚いたこと、昨年秋に偶然手にした米国の経済学者、ベンジャミン・フリードマン(Benjamin F.Friedman)のThe Moral Consequence of Economic Growth(Alfred A.Knopf, 2005)を読んで大きな刺激を受けたことが影響した。同書は、今時の金融危機の発生以前に書かれているが、経済成長とモラルの関係を取り上げており、経済学が、法学や倫理学、道徳哲学から枝分かれした学問であることを改めて想い起こさせてくれた。 戦後世界経済史―自由と平等の視点か

    ジョセフ・スティグリッツ「倫理的なエコノミスト」(1) - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/08/16
    経済成長は大切。それと同時に大切なのは、持続的で、現在だけでなく将来の生活水準を向上し、より寛容で開かれた社会に導くような成長を導く政策があるかどうか
  • 「デフレ」の意味するもの、あるいは経済の実需的側面と貨幣的側面 - 備忘録

    前回の続きです。*1ブックマークに指摘されていますが、国内需要デフレーターがマイナスになっただけではデフレと「定義付ける」ことはできないというのはそのとおりで、継続的な物価の下落(あるいは、それにともなう景気の後退)があって、はじめてデフレとよぶことが可能になるといえるでしょう。その意味では、前回の表題はやや時期尚早感があります(むろん、自分はいずれそうなるだろうことを見込んでおりますが)。また、継続的な物価の下落が将来にわたって見込まれること、いいかえれば、期待物価上昇率が低下しているかどうかが今後の金融政策運営を判断する上で重要なポイントであることも、いうまでもないことです。 これに加え、関係者限定のmixiにおいてもさる方からご指摘を受けました。こちらはやや質的な議論となっており、デフレを「定義付ける」上で参照にすべきなのは国内需要デフレーターではなくGDPデフレーターではないか、

    「デフレ」の意味するもの、あるいは経済の実需的側面と貨幣的側面 - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/08/06
    デフレの判断の仕方、デフレの判断にGDPデフレータ−を用いるか国内需要デフレーターを用いるか
  • ジョセフ・スティグリッツ「世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す」 - 備忘録

    世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す 作者: ジョセフ・E.スティグリッツ,Joseph E. Stiglitz,楡井浩一出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2006/11メディア: 単行購入: 5人 クリック: 73回この商品を含むブログ (54件) を見る 格差問題に関する日国内での注目度は、ここ数年で非常に高まった。「失われた10数年」以前は、日社会は世界にもまれにみる総中流社会であり、完全失業率も先進主要国の中で比べて低かった。円高不況期には、マクロ経済全体の成長や日の製造業の「国際競争力」が注目された。バブル期に入ると、金融や不動産の分野において高い収益を上げる会社が注目された。所得格差をみても、この時期には、完全失業率が低下する中で所得格差も広がるというこれまでにない特徴がみられる。そして、デフレと長期不況下にあった1990年代後半以降は、経済成長が鈍化し完全失

    ジョセフ・スティグリッツ「世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す」 - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/07/13
    情報の非対称性の下では、市場の需給メカニズムが適切に働かず、公正な価格が定まらない。貿易のルールが先進国に有利なものとなっている以上、途上国が自由貿易から恩恵を受ける程度は小さい
  • 日本の雇用システムの柔軟性とその弊害 - 備忘録

    ※追記を追加しました。(09/06/10) 先日のエントリーに関連して─というか、「チンピラ」(爆)のことは無視して─日の雇用システムについて、もっとまじめに考えてみることにしましょう。先日も紹介した大内伸哉「雇用はなぜ壊れたのか」から、別の一節を以下に引用します。 しかし、こうした給料の引き下げは、法的にはそれほど簡単なことではない。すでにある給料システムを変更するためには、原則として、個々の社員の同意が必要であるし(労働契約法8条)、就業規則という労働条件を統一的に定めている規則を変更することにより給料を一括して引き下げる場合には、厳格な要件(合理性)を充たさなければならないからである(同法第10条)。 このように給料による調整が困難である以上、解雇まで厳格に規制するのは経済合理性に合わないともいえる。しかし、現在の法的ルールでは、経営上の必要性がある場合の解雇(整理解雇)であっても

    saka-san
    saka-san 2009/07/06
    「日本では、企業間の雇用柔軟性は低いが、一方で、企業内の柔軟性は高く、このことが、経済成長を実現し、国際的に比較して低い完全失業率を可能にしてきた」
  • オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(2) - 備忘録

    ※追記を追加しました。(09/05/26) (前回のエントリー) オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(1) 下記の論文(講演録)翻訳の続きです。*1 オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(MIT Department of Economics Working Paper Series) (追記) 通常であれば、この論文の解題および日経済への含意について整理したいところですが、せっかくですので、読者の方それぞれに考えていただけたら幸いです。あり得べき議論について、自分なりに補助線を引くと、次のようなものになります。 欧州モデルが備えるべき「3つの支柱」とその意味、また、それぞれの視点からみた欧州経済の現状と課題。 日の雇用政策の現状と課題(特に、基金の側面から)。 ハローワークの民営化に関する現在の議論と、ブランシ

    オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(2) - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/05/26
    持続可能な欧州経済モデルの課題と懸念、特に、ユーロによって制約される欧州諸国のマクロ経済政策の問題点を検討
  • オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(1) - 備忘録

    英語練習のため、以下の論文(講演録)の翻訳を行いました。*1 オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(MIT Department of Economics Working Paper Series) この論文は、田中秀臣「不謹慎な経済学」の中でも端的に整理されているもので、競争を促す制度や、雇用関係における「信頼」の重要性が指摘されています。 不謹慎な経済学 (講談社BIZ) 作者: 田中秀臣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/02/21メディア: 単行購入: 9人 クリック: 303回この商品を含むブログ (59件) を見る この論文では、まず、持続可能な欧州モデルが備えなければならない「3つの支柱」:財市場における競争、労働市場における保険、マクロ経済政策の積極的利用、が説明され、それぞれの具体的な課題が論じられています。そして後半(未訳

    オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(1) - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/05/26
    持続可能な欧州モデルが備えなければならない「3つの支柱」:財市場における競争、労働市場における保険、マクロ経済政策の積極的利用、が説明され、それぞれの具体的な課題が論じられる
  • 鍋象=Bewaad方式「真の失業率」の補正(メソドロジー) - 備忘録

    (前回のエントリー) 田中秀臣「雇用大崩壊 失業率10%時代の到来」 さて、書の冒頭では、就業意欲喪失効果を考慮して来の失業率はいかなる水準にあるかを考えたとき、公表失業率を約2%程度超過する可能性を指摘しています。 雇用大崩壊―失業率10%時代の到来 (生活人新書) 作者: 田中秀臣出版社/メーカー: 日放送出版協会発売日: 2009/03メディア: 単行購入: 10人 クリック: 116回この商品を含むブログ (51件) を見る この意味での「来の失業率」としては、かつて、「真の失業率」としてid:bewaadさんが推計されていたものがあります。なお、ここではこれを「鍋象=Bewaad方式「真の失業率」」とよぶことにします。 鍋象=Bewaad方式「真の失業率」の最大の問題点は、人口構造の高齢化が考慮されていないことです。このため、その推計値は来の失業率よりもかなり高めのも

    鍋象=Bewaad方式「真の失業率」の補正(メソドロジー) - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/03/10
    就業意欲喪失効果を考慮した失業率の推計。Bewaad氏の手法を修正し、高齢化による影響を排除
  • 田中秀臣「雇用大崩壊 失業率10%時代の到来」 - 備忘録

    雇用大崩壊―失業率10%時代の到来 (生活人新書) 作者: 田中秀臣出版社/メーカー: 日放送出版協会発売日: 2009/03メディア: 単行購入: 10人 クリック: 116回この商品を含むブログ (51件) を見る まずもって、書名と書の内容はミスマッチです。ということの意図は、ちまたに見られる同様の「煽る」ような書名の書籍とは異なり、書では、現下の雇用問題と日経済の課題に関する論点が、きわめてまっとうな経済学の論理に従い、適切に配置されている、ということです。 自分の関心に合わせて書の内容を区分けすると、前半は、著者の「日型サラリーマン」論いらいの研究対象となっている日の雇用システム論、後半は、より広い視点からの日経済論であり、それぞれ、深刻かつ急速に進む不況下にあって、新たに整理されたものとなっています。 前半の日の雇用システム論では、まず、日の雇用者について

    田中秀臣「雇用大崩壊 失業率10%時代の到来」 - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/03/08
    現下の雇用問題と日本経済の課題に関する論点が、きわめてまっとうな経済学の論理に従い適切に配置されている、いい意味での書名と内容が異なる本
  • ポール・クルーグマン「良い経済学 悪い経済学」 - 備忘録

    良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫) 作者: ポールクルーグマン出版社/メーカー: 日経済新聞社発売日: 2000/11/07メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 187回この商品を含むブログ (57件) を見る 書の日語版は、1997年の刊行。現在では、経済学による啓蒙的な書籍をみることは珍しいものではなくなったが、書は、そうした書籍の嚆矢的なものであるといえる。 書が批判の対象とするのは、主に「俗流国際経済学」である。そして、それを批判するための武器となるのが、国の経済に占める貿易の規模、比較優位の原理、ISバランス、成長会計といった経済学の「常識」である。 ここで「俗流国際経済学」とされているのは、書の中に例示的に文章化されているつぎのような考え方である(169頁)。 経済の新しいパラダイムが必要になっている。アメリカがいまでは、ほんとうの意味でのグローバ

    ポール・クルーグマン「良い経済学 悪い経済学」 - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/03/02
    当時は経済はゼロサム・ゲームだなんて本がベストセラーになっていた。「アジアの奇跡という幻想」もこの本の中に
  • 経済指標からみた米国経済と「流動性の罠」 - 備忘録

    の雇用情勢についてひととおりの見通しを行ったので、つぎに、米国の経済情勢についてみておくことにします。昨年11月に掲載した下のエントリーを更新しますが、今回は少し長いスパンをとっています。 http://d.hatena.ne.jp/kuma_asset/20081127/1227792848 インフレ率と完全失業率 まずは、インフレ率と完全失業率です。 ここで注目されるのは、完全失業率の足許における急上昇です。一方、インフレ率は、1990年代以降の低下傾向が続いており、足許では、景況の悪化によってさらに低下することが懸念されています。インフレ率が低水準にある中で完全失業率は急騰しており、こうした状況においては、総需要喚起的な政策をさらに進める必要があるといえそうです。*1 金利と為替 つぎに、金利と為替レートについてみておきます。 長期金利は、これまで、金利水準が国際的に収斂するなか

    経済指標からみた米国経済と「流動性の罠」 - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/02/13
    米国の物価・雇用・為替・金融指標の推移。貨幣の流通速度が大きく低下する中で、市中の貨幣量は大きく増えており、FRBの金融政策の効果を伺わせる
  • オークン法則の再推計 - 備忘録

    ※完全失業率予測に関する図表について、政府経済見通しの数値の誤りを修正し、日銀「経済・物価情勢の展望」の最新値を反映しました。ご指摘いただいたsheepmanさんに感謝します(02/12/09)。 前回は、1990年以降のデータによりオークン法則を導き、日銀の見通しにより、今後の失業率は既往最高の5%台半ばにまで達する可能性があることを指摘しました。 http://d.hatena.ne.jp/kuma_asset/20090131/1233416343 また、その後の経済指標をみると鉱工業生産指数の大きな低下があり、これを加味すれば、完全失業率は既往最高値をも優に超える可能性があることも指摘しました。 http://d.hatena.ne.jp/kuma_asset/20081110/1226324292 今回は、オークン法則の推計方法を見直すとともに、各種機関から提供されている実質経済

    オークン法則の再推計 - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/02/13
    オークンの法則から2009年度、2010年度の完全失業率を推計
  • 2008年12月データによるNAIRUの再推計−結果は3.51〜3.61% - 備忘録

    (過去のエントリー) NAIRUの推計−結果は3.62〜3.76% 2008年8月データによるNAIRUの再推計−結果は3.54〜3.57% 「インフレを加速させない失業率」(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment: NAIRU)は、おおむね自然失業率に相当するものとみなされるもので、来、それほど大きく変化するものではありませんが、2008年12月までのデータが出そろったので、再度推計を行います。 具体的な推計方法は、過去のエントリーをご参照ください。前回の推計方法と変えた点は、参照するデータ(修正コアCPI、完全失業率、価格ショック指数)の作成手順を若干変更したこと、四半期データを用いたことです。参照データを用いたフィリップス・カーブは、下図のようになります。 推計モデル 前提となる期待修正フィリップス・カーブは、下のように表現さ

    2008年12月データによるNAIRUの再推計−結果は3.51〜3.61% - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2009/02/13
    失業率が3.51-3.61パーセントまで下がらなければインフレーションは加速しない
  • 速水融「歴史人口学でみた日本」 - 備忘録

    歴史人口学で見た日 (文春新書) 作者: 速水融出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2001/10メディア: 新書購入: 8人 クリック: 120回この商品を含むブログ (32件) を見る 「宗門改帳」という江戸期の資料をもとに、世帯別の人口を生態的、動態的に分析することで、経済や社会の動向を憶測するという興味深い研究に関する。個々の人間のミクロのデータから、社会と歴史のマクロの動きを跡づける。この、歴史人口学という学問を紹介するとともに、著者自身の研究史を紹介するものにもなっている。 著者の研究によれば、17世紀の日では大きな生産性革命が生じ、それは、「合同家族世帯」が「直系家族」や「核家族」へと変わることによって、農業の生産が飛躍的に伸びたことによるとしている。また、人口一人あたりの家畜の数が縮小し、人力による作業が増加するが、それによって生産性はむしろ向上しており、通常の経済

    速水融「歴史人口学でみた日本」 - 備忘録
    saka-san
    saka-san 2008/10/28
    まだ「人口学への招待」も読めていない
  • 労働生産性、労働分配率と生活水準に関する考察(1) - 備忘録

    ちょっと前になるが、賃金上昇率と物価上昇率の関係が話題になった。日経済は、1970年代に記録的なインフレを経験したが、その当時の賃金上昇率はそれ以上に大きかった。その一方、マイナスの物価上昇率が続いた1990年代後半以降、賃金上昇率はマイナスとなっている。1970年代のインフレ期の方が、賃金上昇率−物価上昇率、つまり貨幣購買力を加味した実質的な賃金上昇率は高かったことから、この時代の方が1990年代後半以降よりも国民の幸福度は高かった可能性が高いということである。 「所得の伸びとインフレ率について*ちゃんと*調べてみたよ。」(svnseeds' ghoti!) 「所得の増加とインフレ率の関係について(その2)」(鍋象のひとりごと) 今回の分析では、実質賃金増減率は1970年代以降どのような要因で変動したのかを探る。 モデル Y:産出量、L:労働投入量(就業者数)w*(=W*/L):1人当

    労働生産性、労働分配率と生活水準に関する考察(1) - 備忘録