2016年、世界は地獄へ変貌しつつあると言ってもあながち間違いではないかもしれない。ヨーロッパとアメリカの広い範囲で、抑圧された労働者がナショナリズムの錦の御旗を掲げ、エリート階級に反旗を翻し始めている。 イスラム原理主義者は西側諸国ばかりか、穏健なイスラム教徒まで標的にし始めた。化石燃料は際限なく燃やされ、水も各地で不足し、環境は悪化の一途を辿っている。言うまでもなく、核兵器や生物/化学兵器の類も拡散している。きわめつけは人類を一掃してしまうかもしれない危険な小惑星の中には把握されていないものもあるということだ。 つまり、地球はバックアップを必要としているということだ。 アメリカの起業家であり、スペースX社のCEOであるイーロン・マスクは、莫大な財産を宇宙輸送ロケット・宇宙船SpaceXに投じて、火星への入植計画を着々と進めている。だが、人類に残されているのは火星だけではない。宇宙服なし