居場所ではなく「レースのコツ」を伝える 位置に関するデータとは、先行するコーチ役のランナーがコース上のどこにいるかではない。実験区間において、道路上のどこを走ったかという「コース取り」だった。こうしたデータは、数mレベルの誤差が出るGPSによる測位で作成することは困難だ。 アシックスは、早いタイムで走るランナーのコース取りという情報が、後続のランナーにどのような恩恵をもたらすと考えたのだろうか? この実験の対象として選んだのは、JR神戸線の鷹取駅近辺にあるカーブが5カ所続くおよそ300mの区間である。コーチ役のランナーは上手なコース取りにより最短距離でここを駆け抜けたのかというと、実は後続ランナーと1.2mの差しかなかった。 明らかな差は、加減速の回数だったという。カーブが1カ所だけの場合は、外から中に入ってまた外へ抜けると楽。だがこの場所はカーブが連続しているため外、中、外が最適解ではな
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