日本労働研究雑誌 4 目 次 Ⅰ 各国の教育費負担 Ⅱ 教育費の公的負担と日本の現状 Ⅲ 教育費負担のあり方 Ⅰ 各国の教育費負担 1 教育観と教育費負担のあり方 教育費負担は,まず公的負担か私的負担かに大 別され,私的負担は,民間(企業,大学,慈善団 体など)と家計に大別される。さらに家計負担は 親(保護者)の負担と学生本人(子ども)の負担 とに分けられる。このうち,民間負担は,いずれ の国でも大きな割合を占めていない。雇用主負担 として,かつて企業税などが提唱されたことが あったがまだいずれの国でも実現していない 1) 。 ただ,今後の教育費負担を検討する際には,企業 などの雇用主の負担や慈善団体や個人による寄付 は重要になってくると考えられる。これについて は,後述する。 したがって,教育費の負担については,図 1 の ように,公的,親(保護者) ,子(学生本人)の大 きく 3 つの