量子コンピューターの研究・開発施設というと、大企業や大学を思い浮かべるだろう。だが、スイス北西部に位置する第三の都市・バーゼルには、たったひとりのエンジェル投資家が5億スイスフラン(約853億円)を投資して作った巨大施設「アップタウンバーゼル」がある。同施設は70,000平方メートルという広大な敷地を持ち、IoTやAIがけん引するインダストリー4.0(第4次産業革命)の中心になることを目的としている。 また、ここではスイス初となる商業利用可能な量子コンピューターハブである子会社「クアンタムバーゼル」を運営しており、そこではすでに量子コンピューターを商業的に使うための独自プラットフォームを作っている。筆者はメディアツアーでこの施設を訪れ、街ぐるみで量子コンピューターを盛り上げようとする人々とであった。 野心的な量子コンピューターの施設 「アップタウンバーゼル」は、インダストリー4.0の中心に