ジャーナリスト 屋良朝博 68年前の戦争で沖縄は27年間にわたり米軍に占領されました。強制的に土地を奪われ、建設された広大な軍事基地は現在も沖縄県民に大きな犠牲を強いています。きょうは戦後からいまも続く、沖縄の基地問題についてお話します。21世紀のいまもなお、沖縄に米軍基地を集中させる安全保障政策は果たして妥当なのでしょうか。駐留する米軍の機能、運用を分析しながら解説します。 太平洋地域に配備されている米軍約10万人のうち約2万5000人が沖縄に駐留しています。それは在韓米軍のすべての兵力に匹敵します。米国は海外40カ国に基地を置いていますが、兵力が1万人以上の国は日本、韓国、ドイツ、イタリアだけです。沖縄基地は世界的にみても、異常なほどの過密度です。 沖縄に駐留する米軍の中で、最も多いのは海兵隊です。兵力約1万8000人で、沖縄基地全体の約75%を占有しています。騒音や兵士による事件