前回「インドには日本人や日本の企業が刮目(かつもく)して良い成長余力がたっぷりあると思っている」と書き、項目として4つの要因を挙げた。今回はその1つひとつについて解説したい。 まず指摘できることは、インドという大きな国の「経済のスタート台」がまだ依然として低く、それだけ成長余力があるということだ。実際に行くと驚くような格差のある国なので「平均」を出すことが良いとは必ずしも思わないが、外務省の資料によるとインドの国民1人当たりのGDP(国内総生産)は2009年度の資料では1031.7ドルになっている。これは3000ドルを超えた中国の3分の1に過ぎない。 中国の上海や北京のように、インドにも繁栄している都市はある。例えばニューデリー空港から車で混んでいなければ40分ぐらいのところにあるグルガオンだ。スズキのインドにおける自動車生産販売子会社であるマルチ・スズキ・インディアが自動車関連の一連の施