ニコンとの訴訟で勝訴し、記者会見で笑顔を見せる写真家の安世鴻さん=25日午後、東京・霞が関の司法記者クラブで 元従軍慰安婦をテーマにした写真展を一方的に中止されたとして、韓国人写真家安世鴻(アンセホン)さん(44)=名古屋市=が、会場を運営するニコンと役員二人に約千四百万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(谷口園恵裁判長)は二十五日、「中止の決定に正当な理由はなく、不法行為に当たる」として、ニコンに百十万円の支払いを命じた。 谷口裁判長は、写真展への抗議や非難を理由に中止を決めたというニコンの主張について、「関係者に危害が加えられる現実の危険が生じていたとは認められない」と指摘。「会場の使用を一方的に中止すれば、安さんは表現活動の機会を失う。ニコンは安さんと協議して警察に支援を要請するなどの努力を尽くすべきだった」と判断した。 判決によると、安さんは二〇一一年十二月、写真展を開