新型コロナウイルスの感染状況などに関する国発表の6指標で、東京都の医療提供体制の逼迫(ひっぱく)度合いを示す重症者の「病床使用率」が2月下旬、大幅に減少した。患者数も減少しているが、都が独自の基準で報告してきた病床数を国基準で集計し、その数が急増したことが大きな要因だ。従来の使用率は実態を反映しておらず、国側から対応を求められていた。 厚生労働省が2月26日に発表した6指標の資料で、都の重症者の病床使用率は32・7%。前週の86・2%から53・5ポイント減となった。状況が急に改善したわけではなく、主に確保病床が前週から500床増え、数字上、1千床になったためで、都が新たに病床を追加確保したわけでもない。 そもそも重症者をめぐる都と国には考え方の違いがある。都は人工呼吸器か人工心肺装置を使っている患者としているが、国は集中治療室(ICU)などに入った人も加えている。国の基準に基づく場合のほう