米テキサス州から首都ワシントンに送られてきた移民たち(2022年9月15日、提供:Marat Sadana/REUTERS TV/ロイター/アフロ) (古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授) 米国での大規模な不法入国者問題が、切迫した課題として一気に全米レベルで拡大した。バイデン政権の登場からこれまでに中南米から不法入国した者は約400万人とも目される。その一部が国境地域の共和党知事たちによって、首都ワシントンの副大統領公邸や、民主党エリートが集まるマサチュ―セッツ州の有名避暑地に突然運ばれてきたからだ。 これまでこの問題を大きく報じなかった民主党寄りの大手メディアも大々的に報道した。その結果、以前からこの入国者の扱いでは支持率が低かった民主党バイデン大統領は守勢に立たされ、11月の中間選挙で民主党側に不利な影響が及ぶ展望も浮かんできた。 副大統領公邸前に突然現れ