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ブックマーク / booklog.kinokuniya.co.jp (2)

  • 精神科医・斎藤環の書評ブログ:『ひきこもりの国』マイケル・ジーレンジガー著、河野純治訳(光文社)

    →紀伊國屋書店で購入 自分が取材を受けた書評は書きづらいものだ。まして、そのテーマが私自身の専門と重なっている場合は。 書の原題「遮られた太陽 Shutting Out the Sun」は、天の岩戸に隠れた天照大神のエピソードを連想させるが、テーマはむしろ邦題に示されている。著者は日に特有の「ひきこもり」という奇妙な現象に注目し、終始「ひきこもり」の隠喩によって日社会の病理を語ろうとするのだ。 東宮御所にひきこもる雅子妃も、凋落する日経済と停滞する政治も、異常なブランド崇拝やオタクの存在も、上昇する自殺率も、国際的孤立も、みな病根は「ひきこもり」と同じ。「セルフ・エスティーム」の感覚を欠き、他者を閉め出し、ひとと違うことをタブーとして異常なまでに均質であることを志向する日人の国民性によるのだという。 この種の視点は、それほど珍しいものではない。むしろ欧米的視点から「ひきこもり

    精神科医・斎藤環の書評ブログ:『ひきこもりの国』マイケル・ジーレンジガー著、河野純治訳(光文社)
  • 『サイバー経済学』小島寛之(集英社新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 数理工学・数理情報学を専門とする私にとっては、実社会の問題を理解したり解決したりするために数学が効果的に使われている場面に出くわすとわくわくする。そこで使われている数学がそれほどむつかしくない場合には、特にそうである。そういう意味で、このは最近読んでしびれたものの一つであった。 サイバー経済というのは、通信とコンピュータの技術が可能にした新しい経済の姿をさす。このでは、そこで何が起こっているのかを、ミクロ経済の視点と、マクロ経済の視点から解説している。前半のミクロ経済の視点では、経済活動に必然的に伴うリスクをどう扱うかに焦点を合わせ、統計学の中のベイズ理論という数理的道具を使って、合理的な経済行動とはどういうものかを説いている。 ベイズ理論とは、不確実な事柄の起こりやすさを推定する一つの方法で、ベイズの法則と呼ばれる式が基になっている。その式は単純で、その証明も

    『サイバー経済学』小島寛之(集英社新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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