十数年ぶりの政変は到来するか 2021年政治の展望 右派・ソーシャルリベラル・ネオリベラルの三者鼎立の争いへ 木下ちがや 政治学者 「長期政権がつづいたあとの政権は短命に終わる」。去年、自民党元幹事長古賀誠がこう述べていたそうだ。たしかに、佐藤栄作内閣後の田中・三木内閣、中曽根康弘内閣後の竹下・宇野内閣、小泉純一郎内閣後の安倍・福田・麻生内閣と、自由民主党の歴代長期政権後の内閣は常に短命で終わった。このパターンが今回もあてはまりそうな様相で、2020年の幕は閉じた。 長期政権の負債 2018年に安倍晋三が異例の自民党総裁選三選を果たした直後から、後継総理・総裁をめぐるレースははじまっていた。2019年の令和改元の頃には菅義偉官房長官(当時)が次期総理・総裁候補に浮上し、官房長官であるにもかかわらず訪米を果たし、2019年の内閣改造では側近の河井克行、菅原一秀を重要閣僚に送り込んだ。 ところ