NHKの籾井勝人(もみいかつと)会長が25日の就任会見で、「従軍慰安婦は戦争しているどこの国にもあった」と発言したことで、公共放送の責任者の資格が根本から問われています。籾井氏の発言は事実も歴史も踏まえない暴論の連続で、内外から強い批判がおきています。(NHK問題取材班) 籾井氏は会見で「放送法を順守」などと何回も口にしました。 1950年に施行された放送法には何と書いてあるのでしょうか。第1条は放送の目的について「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」「放送が健全な民主主義の発達に資するようにする」と規定しています。 ■痛苦の反省 この文言と精神は、NHKが戦前、文字通りの国営放送として戦争推進の前面に立ったことへの痛苦の反省から打ち立てられ、戦後新たに出発した放送の支柱となったものでした。ところが籾井氏の発言は、NHKの戦前戦後の歴史や