ドキュメンタリー番組を日々ウォッチし続けている映画監督・松江哲明氏が、ドキュメンタリー作家の視点で“裏読み”レビューします。 【今回の番組】 9月10日放送『地方発ドキュメンタリー ~いま、“在日”として生きる 大阪・朝鮮学校の1年~』(NHK) ここ数年で「在日」が蔑む言葉として使われるようになったと思う。 気に食わない意見には「お前、在日だろう」とバカやアホといった単語と同じような意図で使われる。そして「在日」の後には、韓国人、朝鮮人という単語が省略されている。アメリカ、中国ではなくコリアンが、なぜここまで嫌悪されるようになったのか。 北朝鮮の政策や韓流ブームに対する反感、いろいろ挙げられるだろうが、僕には「在日」という言葉が、そのように使われてしまうことに疑問を感じる。外国人として日本に存在することが、なぜ許されないのだろうか。さまざまな事情を抱えて生きることが認められない思想に、い