東京電力福島第1原発の港湾内で5月に捕獲されたクロソイから、食品衛生法が定める基準値(1キロ当たり100ベクレル)の180倍となる1万8000ベクレルの放射性セシウムが検出された。港湾内とはいえ原発事故から12年を過ぎてもなお基準値を超える魚が見つかるのはなぜか。港湾内の魚が外洋へ逃げ出すことはないのか。東電や専門家に聞いた。 濃度高い「K排水路」 東電によると、基準値超のクロソイは港湾内の中でもとりわけ1~4号機に近い波除堤の内側エリアで捕獲された。廃炉作業中の第1原発に雨が降ると、雨水が放射性物質に汚染された地表やがれきをつたって「K排水路」に集められ、このエリアに放出される。 東電は、放出される雨水について、国の基準値(セシウム134は1リットル当たり60ベクレル、セシウム137は1リットル当たり90ベクレル)を下回っていることを確認しているとする。だが、他の排水路に比べると放射性物
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