ヒトの皮膚常在菌の一種、アクネ菌がブドウにも存在することが明らかになった。 これは、動物病原体の植物への宿主移行が確認された初めての例であり、アクネ菌の存在がブドウの栽培化に貢献した可能性も出てきた。 Credit: THINKSTOCK ティーンエイジャーの悩みの種であるニキビ。その原因の1つであるヒトの皮膚常在菌「アクネ菌(Propionibacterium acnes)」が、ブドウの木にも宿っていることが判明した。これは、ヒトの病原細菌が別の生物界の宿主に寄生するようになったことが確認された最初の例である。今回見つかった新型のアクネ菌は、ブドウの細胞の中でしか生きられない細胞内共生細菌とみられることから、このアクネ菌がブドウに適応したことによってブドウの栽培化が成功した可能性も示唆される。 この成果は、イタリアの研究チームによって、2014年2月Molecular Biology a
「コメ作りをやってれば絶対人口は減る」。秋田県の佐竹敬久知事が、秋田の人口減少の原因は稲作依存にあるとの発言を繰り返している。「タブーだった」と語った知事。大規模工場の誘致が進まなかったのはコメ農家が反対したからだとの認識も示した。全国有数のコメ産出県の知事による大胆発言の真意はどこにあるのか。 ■省力化で働き手流出 佐竹知事は5月12日の定例記者会見で次のように語った。 〈米作が悪いといういんじゃないけども、例えばコメというのは労働生産性がものすごく上がってます。しかし、土地生産性は最も低いんです。土地生産性が低くて労働生産性がものすごく上がるということはどういうことか。人はほとんどいらない。そういうことで、例えば、全体的には農業県ほど人口は減ります。そして農業県の中でコメのウエートが大きいところほど人口減少は著しい。これは統計から出てきます〉 〈秋田の農業を維持していくとすると、コメは
スーパーなどで果実に貼ってるシールといえば、キウイやアボカドなどを思い浮かべたりするのだが、マレーシアの企業が開発した果物用の特殊なシールが話題になっている。 スティックスフレッシュ(Stixfresh)と呼ばれるこのシールはなんと貼るだけで果物を長持ちさせる効果、つまり熟れすぎや腐敗を遅らせることができる。 仕入れてもすぐに食べ頃が過ぎてしまい、破棄せざるをえなくなる果物。 その損失に嘆く果物店の悩みから生まれたシールが、破棄果物を減量するアイテムとして脚光を浴びているのだ。
■松江 カイワレで、学会誌掲載 「雷の多い年は豊作になる」という言い伝えは本当か-。この疑問の解明に松江市の池田圭佑さん(18)が開星高校(同市)に在学中、カイワレダイコンと放電装置を使って取り組み、「雷を受けると植物は成長する」との実験結果をまとめた。この研究成果は学会誌に掲載され、専門家からも評価を受けた。(小林宏之) 池田さんは、校内にある実験用の放電装置で落雷と同様の状態を作り、カイワレダイコンの成長の様子を調べた。この結果、種子に50秒間放電してから育てると、放電しなかった種子に比べて成長が約2倍速かった。また、放電を5分間続けた水道水と、通常の水道水を使って栽培したカイワレダイコンの成長の違いをみたところ、放電した水で育てた方が通常の水に比べて芽の伸びが約2倍になった。 使った水を分析すると、放電した水は通常の水に比べ、窒素量が約1・5倍だった。窒素は肥料の3要素の一つと
障害者雇用に関する法律が改正され、雇用を増やすだけでなく、障害者の能力開発や職域拡大が義務づけられています。障害がある人たちが働くことの意義を考えます。
青森県産業技術センター農林総合研究所は10日、水稲の新たな栽培方法「水田V溝乾田直播(じかまき)栽培」について、七戸町を含む県内4市町村のほ場で試行したところ、従来の栽培方法に劣らない収量、品質が確認されたと明らかにした。乾いた田に種もみを直接まく方法で、労働力やコストを大幅に削減できることから、気象条件が厳しい県南地区への導入によって、経営規模拡大や所得向上に寄与するものと期待される。 同センターと県が同日、青森市で開いた研究成果発表会で報告した。 新栽培方法では、乾いた田にV字状の溝を掘り、種もみと肥料を直接まく。育苗や、ほ場に水を入れてかき混ぜてならす「代かき」などを省けることから、春の繁忙期に作業量を減らせるなどの利点がある。 「実証展示ほ」は、七戸町、青森市、田舎館村、板柳町に設けられた。七戸町ではまっしぐらを栽培し、2016年の10アール当たり収量は、東北農政局が公表した
■弘前市のリンゴ農家へ 最近なにかと話題の「奇跡のリンゴ」ですが、どらねこは映画化以前から興味を持って木村秋則さんの主張や栽培法などの情報を調べたりしておりましました。といっても、興味の対象は「宇宙人に会った」とか、「バクテリアのおかげか自然栽培のお米からは放射線が出ない」といったリンゴ栽培そのものではない部分についてのものでした。 映画化されるとなるとインパクトは大きいようで、普段は話題にならなかったリンゴの無農薬栽培についての話題をちらほら目にするようになりました。あくまで個人の成功例にとどまればよいのですが、映画を見たひとが、なんで危険な農薬を他の農家はやめないの?とか、木村さんの行う農法があたかも理想のように考える人が増えやしないか心配になってきました。 しかし、どらねこはリンゴについては素人です。これは一度リンゴ園を見学して本業の方からおはなしを伺うべきじゃあないか、と思っていた
最初にタイトルを補足しておきますが私は農業の6次産業化的なことを、意欲のある個々の農家や農業法人が取り組むのは別に嫌いでもなんでもありません。国の政策としてこういうのを進めるのは理解しがたいと思うだけです。 先日も紹介した松永和紀さんのコラムに農業の6次産業化について取り上げたものが載りました。 無責任な「6次産業化」が、心配 http://www.foocom.net/column/editor/8622/ 6次産業化への懸念に、多くの反響をいただきました http://www.foocom.net/column/editor/8663/ 大雑把に言うと、昨今の食品加工にまつわる様々な規制について認識が甘い農家が心配だというような記事です。 農産物を加工するのだったら、必ず知っておかなければいけない話だと思うが、これも厚労省マター。生産者や民間直売所だけでなく、普及指導員、JA職員の方々
どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 農水省や都道府県など自治体は、農林漁業生産者が加工、販売まで手がける「6次産業化」の推進に今、余念がない。 加工して販売する、ということは食品衛生、リスク管理に対しても責任を持つ、ということ。だが、そんな情報が生産者には届いていないのでは、と思う場面にしばしば出くわす。「新たな産業創出」なんてきれいごとだけではないはずだが、加工を手がける生産者はその厳しさをわかっていないように思える。直売所の加工品、大丈夫だろうか? そんなことを最近強く思うのは、昨夏の浅漬けによる腸管出血性大腸菌食中毒事件の教訓が、農業現場に浸透していないか
バター不足が続いている理由として農林水産省が行った説明は「うわべの事情」にすぎない。『バターが買えない不都合な真実』を書いたキヤノングローバル戦略研究所の山下一仁・研究主幹は、こう指摘する。 ――実は脱脂粉乳の需要に左右されているのですか。 使い道が少なくなった脱脂粉乳がバターの生産量、そして生乳の価格、酪農経営をも左右しているのだ。生乳は遠心分離するとバター(クリーム)と脱脂粉乳(脱脂乳)になる。つまり、バターを造る過程で同時に脱脂粉乳が生成される。それぞれ一定量出てくるが、需要はまちまちだから、普通に生産すれば必ずどちらかが足りなくなる。2001年以前はバターが余っていた。需要の少ないバターの需給均衡に合わせて生産するから、どうしても脱脂粉乳が足りなくなる。そこでかなりの量の脱脂粉乳を輸入していた。 ■ つららの落下が日本の乳製品需給を変えた ──01年から変わり始めた?
鍋物やおでんに欠かせない秋冬ダイコンの市場価格が、全国的な出荷量の増加で値崩れを起こしている。原因は11月の記録的な暖かさと、平年を大幅に上回った降水量。急激に肥大したため、大きすぎて流通に適さないダイコンが続出。ダイコンの国指定産地、兵庫県たつの市御津町の「成山新田」では、自主廃棄する農家も出始めた。 【動画】おしゃれな八百屋の「野菜王子」 JA兵庫西などによると、店頭に並ぶ標準的な大きさのLサイズ(1ケース10キロ、10本入り)が、10月初旬では1200円と例年並みだった。ところが11月に入り、全国的に流通量が急増して価格は下落。Lで最も品質的に優れたものでも600円、サイズによっては採算割れとなる異例の値崩れとなった。 8月下旬から種まきが始まった成山新田の秋冬ダイコン。少雨だった10月から一転、雨が続いた11月に生育が早まり、農家も急いで収穫したが、肥大する早さに作業が追いつか
台風が上陸すると、ネットでは「ちょっと田んぼ見てくる」という言葉がしばしばネタとして登場します。 稲作では一般的に、用水路に水門となる板などを挟み、田んぼの水量を調節します。ところが大雨が続くと水門から水が溢れだし稲が水浸しになってしまったり、近くにあるよその田んぼにも被害が出かねません。だから危険だと分かっていても、農家の高齢者は田んぼを見に行ってしまうのです。 しかしもし、わざわざ見に行かずとも、田んぼの水位が把握できるとしたら? 台風時はもちろん、普段の業務でも1日何回も見回りする回数が半分に減り、農家の負担が軽減される可能性があるとしたら? 熊本県阿蘇市の内田農場は、そういった農業の課題をApple WatchやiPhoneなどのテクノロジーを使って解決しようとしています。“農業とIT”の現場を取材してきました。 取引先の要望に応じ、15品種の米を受注生産する内田農場 今年20周年
「NP-WU10」という製品の釜は、熱が全体に均一に伝わるように鋳物工場で手作りされている。ふたはプラチナを配合した材料でコーティングされており、アミノ酸のレベルが完璧な水準になるようにしてある。また、この製品はデジタルセンサーも装備しており、完璧な炊きあがりになるまで121通りの微調整が可能だ。 つやつやしたジャポニカ米を食べたり宗教的行事の捧げ物にしたりしているうえに、コメの生産が政治的な聖域にもなっている。 そのようにコメを崇拝する国にとって、1500ドルもする象印マホービン製の炊飯器は最も重要な祭壇である。いや、少なくともそうであるはずだ。 だが、大阪に本社を構え、この炊飯器NP-WU10の開発にエンジニアやデザイナー、試食担当者を何年も取り組ませてきた象印は、大きな問題に直面している。日本のコメの消費量が減っているのだ。それも大幅に――。 高齢化し縮む胃袋、食生活の変化で日本酒や
リアルすぎる農業シミュレーションゲームとして欧米で人気の「ファーミングシミュレーター」シリーズ。既に海外でリリースされている最新作「ファーミングシミュレーター 15」がプレイステーション 4(PS4)、プレイステーション 3(PS3)用ソフトとして11月26日に日本で発売されることが決定しました。 ファーミングシミュレーター 15 ものすごくリアル 広大な農場でひたすら農機を操縦したり、牛や羊を飼育しまくるというストイックすぎる本格農業シミュレーションゲーム。40社を超えるメーカーの農機が3Dで再現されており、海外ではこのゲーム専用の「農機コントローラ」が発売される(関連記事)など高い人気を誇るシリーズです。今作からは「林業」が追加され、新重機「ウッドハーベスター」で土地を切り開くといった新要素も搭載。一人称視点でさまざまな農機を操縦し、どこまでもリアルな大規模農園経営気分を味わえる、ある
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