バンコクのデイケア施設から、おばのブーンロッド・カムホンクンさん(中央)を乗せた車椅子を押して自宅に戻るナコン・ティアンプラサートさん(2016年3月3日撮影)。(c)AFP/LILLIAN SUWANRUMPHA 【7月25日 AFP】タイの首都バンコク(Bangkok)に初めてお目見えした高齢者向けデイケア施設から、77歳になるおばを乗せた車椅子を押して出てきたナコン・ティアンプラサートさん(35)は、家族としての務めというものについてつくづく考える。夜勤の仕事と、年老いた親類の世話の掛け持ちを余儀なくされている生活のことだ。 急速に高齢化が進むタイでは、こうした悩みはもはや珍しいものではない。高齢化に伴う人口動態の変化は社会的な規範にひずみを生みつつあるうえ、経済面でも大きな波乱の種になる恐れが出ている。 タイでは年老いた両親の世話をする人が多い。幼い頃から、親の世話は子どもの役目だ