2015年9月、中国政府は、2017年から中国全土で二酸化炭素(CO2)の排出量取引制度を導入することを公表しました。中国のエネルギー起源CO2排出量は2013年時点で約90億トン、世界で最も排出量が多く、世界全体の排出量の約28%を占めています。大量排出国である中国が排出量取引制度を導入すれば、世界の排出量取引市場にも大きなインパクトをもたらすと考えられます。 2017年から中国全土で導入予定の排出量取引制度は、排出量の上限となる排出枠(キャップ)を設定し、キャップを割り当てられた事業者間で余剰排出量や不足排出量を売買することができる「キャップ&トレード」と呼ばれる制度です。海外ではEUが2005年、全世界に先駆けてこの制度を導入しました。米国ではカリフォルニア州などの州単位で導入されているほか、カナダでもケベック州が導入しています。最近ではアジア諸国でもキャップ&トレード型の排出量取引