唐獅子図屛風からじしずびょうぶ [右隻]狩野永徳筆 安土桃山時代・16世紀 [左隻]狩野常信筆 江戸時代・17世紀 宮内庁三の丸尚蔵館 狩野永徳(1543-90)は、安土桃山時代に活躍した狩野派の代表的な絵師で、その勇壮な画風は日本美術史の中でも特筆されます。その代表的な傑作である「唐獅子図屛風」は、もとは城内の床貼付け、あるいは陣屋屛風とも言われる特に大型の作品です。江戸時代に曾孫にあたる常信が左側に同大の画面を補って、一双の屛風として伝えられました。両者の全く異なる画風も興味深いところです。 国宝 檜図屛風ひのきずびょうぶ 狩野永徳筆 安土桃山時代・天正18年(1590) 東京国立博物館蔵 狩野永徳の最晩年の作で、桃山時代の金碧障屏画の一つ。天正17年(1589)に念願の実子・鶴松(棄丸)を得た豊臣秀吉は、その翌年に猶子としていた正親町天皇の孫・智仁親王との関係を解消し、かわりに八条宮