「ひょっとしたら人工知能(AI)が人間を支配する日がくるのではないか──」 シンギュラリティが語られるようになって久しい。「AIが人間の職業を奪う」というコピーもよく目にするようになった。未来学者レイ・カーツワイルが広めたとされる「シンギュラリティ(技術的特異点)」は2045年に到達するといわれる。果たして私たちは「社会の主役が人間からAIへ変わる」というシンギュラリティを、単なる「SF」だと楽観的に構えていてよいのだろうか。 アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』はシンギュラリティの2045年よりもさらに未来の2112年が舞台だ。厚生省が管轄する「シビュラシステム」が、人間の生体反応を計測し、個人の能力や性格をスコア化して”管理”をする社会。たしかにアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』の世界は近未来SFではあるが、アニメーションの世界だと高をくくってはいけない。その緻密に作