鉄道を模したおもちゃを、子どもがレールなど無視して自在に走らせ遊ぶように、レールの有無に制限されず自由に走れる「陸上列車」というものがありました。かつてアメリカ陸軍と民間企業が開発した、その顛末を追います。 行先は自由自在な「陸上列車」の誕生 大量の荷物を1度に運ぶことができる鉄道は、陸地においては自動車よりも輸送効率の良い運搬手段といわれています。一方で、鉄道は線路が敷設された場所にしか行けません。そこでレールがなくとも走れる巨大なゴムタイヤを持つ「陸上列車」と呼ばれた輸送手段を、アメリカ陸軍は作ろうとしました。 拡大画像 12両を牽引した状態のTC-497「オーバーランドトレイン」。 きっかけは1950年代、テキサス州にある重機械メーカーのルトノア(ルトーナ)が、貨物列車のように走れる長大な貨物トレーラーの開発を始めたことです。 トレーラーといっても、自動車のようにガソリンエンジンやデ