1959年に始まった在日朝鮮人の帰国事業では、25年間に9万3340人が北朝鮮に渡った。連載の4回目は、70年代に帰国した若い世代のお話。ピンクレディーが好きで喫茶店に通った女子高生の帰国者は、北朝鮮でどんな暮らしをしていたのか。 ■<サイキンキコクシャ>はバカだ×さんは、1970年代に〇〇朝鮮高校在学中に一家で咸鏡北道に帰国した。もうとっくに「在日」の帰国のピークは過ぎていたが、体を悪くしていた父が、祖国で温泉治療ができると、朝鮮総連に勧められて帰国船に乗ることを決めたという。 「私は友達と別れることが寂しいぐらいにしか考えていませんでした。到着した清津で配置が決まるまで待機する招待所に、知人探しや荷物受け取りのためにやってきた帰国者たちが、『なんで今頃帰って来たのか? 朝鮮の暮らしが厳しいこと聞かなかったのか? 』と口々に言うんです。その後も、60年代の帰国者たちから『あんたたち<サイ