厚生労働省は二十六日、二〇一八年度からの三年間、介護保険サービス事業所に支払う介護報酬の改定方針をまとめた。リハビリによって高齢者の自立支援や重度化防止を進める事業所に配分を重点化し、終末期の高齢者が増えていることを背景に、みとり対応する介護施設への報酬を加算する。経営が悪化している特別養護老人ホーム(特養)の基本的な報酬は最大3%引き上げる。 社会保障審議会の分科会に示し、了承された。自立支援に力を入れるのは、団塊世代が全員七十五歳以上となる二五年に向け、増大する介護費用の伸びを抑制するのが狙い。事業所が外部の医師や作業療法士などのリハビリ職と連携して身体機能の回復に取り組んだ際の報酬を手厚くするほか、通所介護(デイサービス)は利用者の状態が改善するなど成果を出すと加算する。
県は25日、「県災害リハビリテーション支援関連団体協議会」(山梨JRAT)と大規模災害での被災者支援に関する協定を結んだ。避難所生活が48時間以上に及ぶような災害で、体調不良を起こす被災者を支援する。 JRATは昨年、リハビリ病院や理学療法士、作業療法士、介護職員などの5団体が設立した。協定では、JRATが医師をリーダーとする専門チームを避難所や仮設住宅に派遣。運動能力の維持や心労の軽減など、被災者の支援と指導に当たる。 後藤斎知事は協定を締結後、「これまで医療機関と災害時の救命救急で協定を結んできたが、避難所生活の長期化への対応は不十分だった」とした上で、「リハビリ専門家の派遣は災害関連死などを防ぐもので大変に心強い」と期待を示した。JRATの天野達也代表は「実効性のある支援を確立したい」と意欲を語った。
<くらしナビ ライフスタイル> ●リハビリを偏重 「子供たちから元気をもらっている」と女性(80)は話す。松山市のデイサービスセンター「梅本の里・小梅」。職員の託児所を併設し、8人の子供が毎朝、元気に利用者にあいさつしたり、駆け回って遊んだりしている。重度の認知症の女性(75)はいつも不安そうだが、小梅では「片付けないかんよー」と言いながら散らかったおもちゃを整理し、子供を笑顔で見守る。保育士は「助かってます」と感謝する。入り口には利用者が運営する駄菓子屋もあり、学校帰りの子供が立ち寄り、宿題もやる。多世代が集う「ごちゃまぜ福祉」だ。利用者は配膳の手伝いなど役割を見つけ思い思いに過ごす。「一人一人が愛され、その人らしい生活を送ってもらいたい」と野中康志施設長は話す。 人気施設だが、報酬の実質引き下げに直面しそうだ。
川崎市の有料老人ホームで2014年、入所者の男女3人が相次いで転落死した事件で、3件の殺人罪で起訴された元職員の今井隼人被告(25)の裁判員裁判が23日、横浜地裁(渡辺英敬裁判長)で始まった。 ◇ 介護施設で暮らす高齢者が職員から虐待を受ける事例は後を絶たない。 厚生労働省の調べによると、虐待件数は調査を始めた2006年度から9年間で8倍近くに増え、15年度は408件。初めて虐待死の報告もあった。昨年8月には東京都中野区の有料老人ホーム内で83歳の男性入居者が溺死(できし)。その後、元職員が殺人罪で起訴された。 日本虐待防止研究・研修センターの梶川義人代表(59)は「処遇や職場環境に不満を抱えて仕事をしている職員は、いらだちから目の前の高齢者に『負担をかけられている』と攻撃の矛先を向けてしまうこともある」と指摘。予防策として「管理職は『不適切なケアはケアではない』と周知し、現時点で一番いい
「介護離職ゼロ」を目指し、特別養護老人ホームなどを全国で整備しようと、政府が2015年度補正予算に計上した「地域医療介護総合確保基金」約1406億円のうち、17年度までの2年間で使われるのは約221億円にとどまっていることが読売新聞の調査でわかった。 事業拡大に意欲のある介護事業者と、現場で働く人材の不足が主な理由。政府はこの基金で20年代初めまでに10万人分の介護の受け皿を整備する方針だが、現状では9000人程度と目標の約1割で、実現は難しいとの見方も出ている。 調査は17年11月から12月にかけて、47都道府県に対して、16年度と17年度(見込み)における基金の利用状況と整備した介護施設の種類と定員などを尋ねた。 その結果、基金の利用額は、見込みも含めて計約221億円。基金総額に占める割合は約16%だった。整備する9000人分の内訳は、7割弱を特養が占め、認知症グループホームは2割弱だ
介護大手のツクイは介護現場で周辺業務に特化した新職種を導入する。高齢者の食事や排せつの介助といった専門分野以外の業務を担う「ケアサポーター」という職種を設ける。月内にも通所介護(デイサービス)事業所で導入するほか、認知症対応のグループホーム向けに職員の募集を始めた。人手不足が深刻化する介護現場で職員の負担軽減につなげる。ケアサポーターはパートとして採用し、半日程度の研修を施したうえで1日3~4
厚生労働省は人手不足が深刻な福祉、建設、運輸、警備の4分野を対象に、2018年度から全都道府県のハローワークに専用窓口を開設する。求職者に対し専属の相談員を付ける担当制を採用し、きめ細かい就職支援で事業者の人材確保につなげる。専用窓口となるのは人材確保対策コーナー。いまは東京都や千葉、埼玉、神奈川各県など12カ所に限られているが、来年度から84カ所
香川県警さぬき署は13日までに、さぬき市の「有料老人ホーム御徳」の入所者の男性(82)が、鼻から挿入したチューブで朝食の栄養剤を摂取した後に体調不良を訴え、呼吸不全により病院で死亡したと明らかにした。 チューブは通常、胃に直接差し込まれているが、司法解剖の結果、肺から液体状の異物が見つかったといい、同署はチューブの挿入方法など、詳しい状況を調べている。 同署によると、男性は11日午前7~8時ごろ、栄養剤を摂取。同11時15分ごろ、男性から「苦しい」との訴えを受けた巡回中の介護福祉士が病院に連れて行こうとしたが、男性は断った。約10分後に介護福祉士が様子を見に行った際も苦しそうだったため、同11時40分ごろ119番した。 男性は自立歩行できず、介助が必要だった。チューブは食事以外の時間も常に挿入したままだったが、11日の朝食時に何らかの理由で挿入し直したという。
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