障害者の差別解消に向けて関係機関が調整する自治体の「地域協議会」の設置が進んでいない。内閣府の調査では、昨年10月までに設置したのは全市区町村の3割にとどまる。昨年4月に施行された障害者差別解消法で設置できるようになったが、自治体の規模によっては負担が大きいようだ。 地域協議会は障害者団体や事業者、教育、医療、法曹関係者らで構成。都道府県や市町村に設置して、障害者差別に関する相談をたらい回しにしない態勢作りに取り組む。差別解消に対応できる関係機関が集まっているため、差別事案が発生した際の再発防止策が検討できる。 昨年10月時点の調査では、47都道府県のうち37都道府県が地域協議会を設置していたが、市区町村レベルでは507自治体と29・1%だった。今後も設置未定としたのは、半数近い722自治体あった。 内閣府によると、設置していない自治体からは「(自治体の)規模が小さいため現体制で対応できて
【マチ弁は元労働Gメン(上)】赤字の責任を社員に押しつけ、障害年金を横領…働き手を使い捨てる日本社会の劣化 労働Gメンと呼ばれる「労働基準監督官」だった土井裕明さんは二十数年前、地域住民の相談をくみ取る町の弁護士「マチ弁」に転じた。過酷な労働環境を苦にして若者が自殺に至るケースが相次いでいるいま、異色の経歴を持つ弁護士の目には、現状がどう映っているのか。(聞き手 今村義丈) 即戦力でなければ「使えない」…深刻でひどい状況 --若い女性社員の自殺問題を契機に大手広告代理店「電通」に11月、違法な長時間労働の疑いで家宅捜索が入りました。 土井 私が監督官だった約20年前と比べ、働く人がまるで使い捨てできる「安物の商品」のごとく扱われるようになってしまった、と感じます。実は私が最近、弁護士として担当した自殺問題も、電通の事案とかなり似ていました。 --どんな点ですか 土井 新人社員が追い詰められ
障害者の「逸失利益」認定を=両親が賠償求め提訴へ-東京地裁 亡くなった松沢和真さんの逸失利益を求める訴訟を起こす両親=10日午後、東京都中央区 障害者施設から行方不明となり、死亡した知的障害を持つ少年の損害賠償をめぐり、将来の収入に当たる「逸失利益」をゼロと算定するのは不当だとして、両親が施設側に対し、一般的な逸失利益額を含む約8800万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に14日起こす。都内で10日、取材に応じた両親は「命に値段を付けて差別する現在の仕組みはおかしい」と訴えた。 亡くなったのは、東京都八王子市の障害者施設に入所していた松沢和真さん=当時(15)=。2015年9月、無施錠の扉から外へ出て行方不明となり、同11月に高尾山麓の沢で遺体で見つかった。 施設側は安全管理上の過失を認め、慰謝料2000万円を提示したが、逸失利益はゼロと算定した。このため、両親は男性の平均賃金を基に得
大阪・ミナミの繁華街。男性は出所するとこの街に現れ、金が尽きると盗みをはたらき、また刑務所に戻る人生を送ってきた=大阪市中央区で、貝塚太一撮影 55歳無職男性の判決が15日、奈良地裁葛城支部で 奈良県内の工場でビスケットなど菓子(400円相当)を盗んだとして窃盗罪などに問われた無職男性(55)の判決が15日、奈良地裁葛城支部(五十嵐常之裁判官)で言い渡される。男性は知的障害の可能性が高い。前科10犯で、服役は通算約30年間に及ぶ。社会経験がほとんどなく、親族や知人もいない。検察側は懲役4年6月を求刑したが、弁護側は再犯防止の観点から男性が福祉的支援を受けられるよう求めている。 公判記録などによると、男性は徳島県出身。中学卒業後、大阪府八尾市内の工場でプレス工として働いたが、20歳の時に窃盗容疑で逮捕された。20代に4回、30代に3回、40代に2回、50代に1回、窃盗などの罪で有罪判決を受け
事故で寝たきりとなった少年に語りかける母親。少年は事故でコミュニケーション能力を失い、呼びかけに答えることもできなくなった=福岡県で 福岡県久留米市立久留米特別支援学校で2012年、給食中に窒息し、重い脳障害などを負った生まれつき脳性まひの少年(18)が、事故前からの障害を理由に災害共済給付の障害見舞金が支給されなかったのは「障害者差別に当たる」として、母親が独立行政法人日本スポーツ振興センターに支給を求めた訴訟が福岡地裁久留米支部で争われている。元々最重度の障害がある場合、更なる障害には支給しないとする制度の不備が露呈した。 災害共済給付は、学校管理下で事故などに遭った児童生徒らに障害見舞金や医療費、死亡見舞金をセンターが支給する制度。このうち障害見舞金は、障害が残った場合に文部科学省令が定める14段階の障害等級に応じて82万~3770万円を支給する。
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