社会復帰を目指す元受刑者の就活を支援するNPO法人「轍(わだち)」が、徳島県に設立された。自身も服役した経験がある理事長の吉崎恵三郎さん(50)=徳島市=は「出所者ら一人ひとりと向き合い、再犯を防ぐ力になりたい」と話す。 メンバーは11人。吉崎さんら3人が元受刑者だ。ほかに自営業者らが理事を務める。主な活動は、出所者や元暴力団員らへの就職紹介。すでに建設会社などが受け入れに手を挙げた。あるタクシー会社の社長(70)は「乗務員の数が減っており、やる気があれば受け入れたい」。将来は出所者ら向けの「自立支援ホーム」をつくる構想もある。 吉崎さんは2008年3月に刑期を終え、すぐに現実を突きつけられた。刑務所にいた期間の空白が埋められず、「ハローワークで履歴書が書けなかった」。職員に元受刑者と明かし、介護補助の職に申し込んだが、連絡はなかった。 半年後、県東部の小松島商工会議所のメンバーらが開く週