書体には種々の相があります。一字一字、文字とじっと対面していると、 その姿・形がはっきりと見えてきます。美しかったり、醜かったり、 清潔であったり、汚れていたり、また、風格があったり、幼稚であったりします。 さらに文章組みが読み易かったり、読みにくかったり、 はたまた読む気を起こさないこともあります。 これらのことは一言で言えば書体として必要な機能を備えているかどうか、 デザインが完成されているかいないかによって感知される現象であり、デザインが良いか悪いかに帰結します。 私たちは日常、自然界の動植物や自然現象、人間が創り出す工業製品や家具、 絵画や書、陶器などのさまざまなものに対して美しさや醜さを感じ取ります。 書体もそれらも全く同じで、創り手の思想と技術によって 美醜のいずれかの相を持つことになります。 林 隆男(タイプバンク設立者)
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