『大言海』や『大日本国語辞典』などを見ると「的確」の表記しか示されていない。また,中国の古典にも,「的確」は見られるが,「適確」は見あたらないようである。 現在の辞典類でも, 日本国語大辞典……………… 的確・適確 例解新国語辞典……………… 的確・適確 新選国語辞典………………… 的確〔適確〕 岩波国語辞典………………… 的確(「適確」は当て字) 新明解国語辞典……………… 的確(「適確」と書く向きもある。) 朝日新聞の用語の手びき…… (適確)→的確 となっていて,まずは,「的確」が望ましい書き表し方であるといってよい。 ところで,なぜ「適確」という語が用いられるようになったかであるが,例えば,地方自治法の第二百二十二条に「必要な予算上の措置が適確に講ぜられる」という一節がある。この場合の「適確」の意味は,予算上の措置が「必要にして十分に」講ぜられる,という意味で,一般に使われる「的確