経済産業省原子力安全・保安院は12日、大阪市天王寺区の製造業「首藤バルブ製作所」が、原子力発電所に納入した弁の材料試験成績書を捏造していたと発表した。原発の安全性に影響はないという。同院はすべての原子力事業者に調達管理の徹底などの注意喚起をした。 同院によると、同社が平成21年12月までに四国、関西電力など5社の加圧水型原子炉施設に納入した2411個の弁について、材料成分などを証明する材料試験成績書を捏造していた。 弁は原子炉の冷却水を、海水で冷やす装置などに使用されていた。弁の成分分析などをしたところ、強度など安全上の問題はなかったという。 同院の調査に対し、同社は「試験で不合格になると、同時に作った製品をすべて廃棄することになり、ビジネスにならない」と説明。「平成元年3月から材料試験成績書を捏造していた」と話したという。 同院に6月、同社が書類を捏造しているとの申告があり、調査していた