約250年前に和紙を貼り重ねて作られた国指定重要文化財の萩藩の立体地図「防長土図(ぼうちょうどず)」が、山口市の県立美術館で特別公開されている。 防長土図は、萩藩の地理図師、有馬喜惣太(1708~69年)が晩年の1767年に完成させた。109個のパーツをつないで組み立てられ、南北約3メートル、東西約5メートルに及ぶ。 地図の表面には民家の所在を示す黒丸や、寺院を示す朱色の三角形など当時の状況が詳細に記されている。鑑賞に訪れた同市のパート従業員の女性(47)は「緻密(ちみつ)さと技術の高さに感動した。250年前にどうやって作ったんでしょうか」と驚いた様子で話していた。 4月1日までで、開館時間は午前9時~午後5時。入場料は一般300円、学生200円、70歳以上と18歳以下は無料。問い合わせは同館(083・925・7788)へ。
26日に投開票された千葉県市川市長選は、立候補した無所属の新人5人がいずれも当選に必要な法定得票(有効投票数の4分の1)に届かず、公職選挙法に基づいて再選挙が行われることになった。 総務省によると、首長選で法定得票に届かずに再選挙となったのは、今年1月の鹿児島県西之表市長選や2003年の札幌市長選などの例がある。再選挙は、2週間の異議申立期間後、50日以内に行われる。届け出からやり直すため、新たな候補が出馬することもできる。 市川市長選は、全国で4番目に多い待機児童対策などを争点に混戦となり、最多得票の候補も2万8109票にとどまり、当選に必要な2万9770票に届かなかった。当日有権者は39万3815人。投票率は30・76%(前回21・71%)だった。 ◇ 28,109村越 祐民 無新 〈共〉〈由〉〈社〉〈民〉 27,725坂下 茂樹 無新 〈自〉 26,128田中 甲 無新 20,33
名古屋市の徳川美術館で開かれている特別展「天下人の城」(読売新聞社など主催)に出展された史料から、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人の天下人にまつわる知られざる歴史を紹介する。 1560年の桶狭間の戦いは、信長が、大軍の今川義元を倒し、天下人への足掛かりを得た戦いだ。名古屋市緑区の合戦場近くにある義元を供養する長福寺には、関連史料が多く残されている。 今回初公開されたのが「桶狭間合戦討死者書上(かきあげ)」という文書だ。江戸時代に書かれたものとみられ、今川軍はこの戦いで、今年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の井伊直虎の父、井伊直盛ら総勢2753人が戦死したと記載されている。一方で、織田軍の戦死者も990人余りとしている。 「興味深いのは、織田軍の戦死者のうち272人が近江国(滋賀県)の大名・六角(ろっかく)氏からの援軍だったと書かれていることです」と、展覧会を担当する原史彦・学芸部長
三重県伊賀市で1998年に見つかった約1700万年前のイルカの化石が新種だったことが分かり、市教委が発表した。 今年3月、群馬県立自然史博物館の木村敏之学芸員(古生物学)らが研究報告書に論文を掲載。伊賀忍者と、発見者の 氏原温 ( うじはらあつし ) ・名古屋大准教授の名にちなみ、「ニンジャデルフィス ウジハライ」の学名がつけられたという。同市の上野歴史民俗資料館で骨格のレプリカなどが展示されている。 化石は98年、同市下阿波(旧大山田村)の宮谷川河床で氏原准教授と、当時、名古屋大生だった市原俊・名古屋文理大短期大学部助教が発見。2000年に旧大山田村教委と名古屋大が改めて共同調査を行い、頭骨や背骨、胸 鰭 ( びれ ) 、 肋骨 ( ろっこつ ) などが見つかった。研究の結果、群馬県立自然史博物館の木村学芸員らが今年3月、同博物館の「研究報告第20号」で新種だと発表し、市教委にも伝えた。
関ヶ原の戦い(1600年)で戦国武将・小早川秀秋(1582~1602年)が西軍から東軍に寝返った際、決断が遅れたのは過度の飲酒で肝硬変から発症した肝性脳症による判断力低下の可能性があるとするユニークな説を、兵庫県姫路市御立東の脳神経外科医、若林利光さん(63)が秀秋の当時の病状などを記した史料からまとめた。 26日に茨城県つくば市で開かれる日本病跡学会総会で発表する。 戦いで西軍側の秀秋は寝返りを誘われていたがなかなか動かず、東軍を率いた徳川家康が怒り出すほどだったとされる。戦闘開始から約4時間後、西軍・大谷吉継を襲ったのをきっかけに西軍の武将が次々に寝返り、東軍勝利につながった。 若林さんは、安土桃山時代から江戸時代初めに活躍し、秀秋も診た医師・ 曲直瀬玄朔 ( まなせげんさく ) の診療録「医学天正記」の記述に注目。秀秋について「酒疸一身黄 心下堅満而痛 不飲食渇甚」(大量の飲酒による
トラブルで運用を断念したX線天文衛星「ひとみ」について、宇宙航空研究開発機構( JAXA ( ジャクサ ) )は24日、プログラム修正時に必要な試験を行っていないなど、適切な作業手順が守られていなかったことを明らかにした。 同日開かれた文部科学省の小委員会で説明した。 ひとみは3月26日未明、姿勢制御装置の不調で機体が回転を開始。本来ならエンジンが機体の姿勢を自動修正するはずだったが、コンピューターのプログラムミスで誤噴射を起こし、回転が加速した結果、太陽電池パネルが破断した。 JAXAによると、打ち上げ後の2月末にプログラムを修正する際、委託業者が一部を誤って入力。本来なら機体に送信する前に機体の動作を試験するはずだったが、委託業者が「不要」と勘違いして実施しなかった。プログラム修正の手順書は作られておらず、作業を監督する立場だったJAXAは、試験を行ったかどうかも確認していなかった。
政府は22日、「すべての女性が輝く社会づくり本部」(本部長・安倍首相)を首相官邸で開き、働く女性の支援に積極的に取り組む企業を公共工事の入札で優遇する新たな指針を決定した。 2016年度中に原則開始する。 指針の導入後は、企業が公共事業に入札した際、女性管理職の占める割合が高かったり、育児休暇を取得する男性社員が多かったりした場合には、規定に基づき加点される。この結果、働く女性を支援する企業が応札しやすくなる。 企業が対象となる公共事業などは従来の「約10億円規模」から、「総額5兆円規模」に拡大される見込みだ。首相は会合で「企業が働き方改革を進める新しいインセンティブ(誘因)だ」と述べ、各府省の取り組み状況を定期的に公表する考えを示した。
日本総合研究所が、総務省の家計調査に基づいて試算したところ、年金収入で生活している夫婦など、高齢世帯への恩恵が大きかった。家計に占める食品購入額の割合が大きいためだ。 年収250万円の高齢夫婦世帯(夫は65歳以上で無職、妻60歳以上)の場合、酒と外食を除く食品全般に支払う金額は、平均で月5万500円。消費税率が8%のまま据え置かれると、10%に引き上げられるのに比べ、年間の負担軽減額は1万2120円になる。 年収500万円の勤労者世帯(家族2人以上)では、食品購入額は月平均5万200円で、年間軽減額は1万2000円。収入の少ない高齢夫婦世帯の方が、軽減額が多くなった。一人暮らし世帯でみても、高齢者の負担軽減額が勤労者世帯より多い。
民主党の枝野幹事長は25日の記者会見で、安倍首相が最低賃金の全国平均を1000円(時給)とする目標を表明したことについて、「民主党政権で定めた目標そのものだ。民主党の経済運営は正しかったと明言してもらいたい」と批判した。 民主党は鳩山首相時代の2010年6月、当時713円だった最低賃金の全国平均を20年までに1000円に引き上げる目標を決定した。これに対し、自民党の石破政調会長(当時)が10年10月の衆院予算委員会で、企業側の負担増を念頭に「アンチビジネス的政策はやめてもらいたい」と指摘していた。 枝野氏は記者会見で「どういう理由から(自民党は)方針を転換したのか、説明してもらわないといけない。反対のための反対だ」と強調した。
論点整理は今後の議論の方向性を決めるものだ。結婚して子どもを産み育てようとする若年層や低所得層の税負担を軽くする、新たな制度の検討を明記している。具体的には、一定の所得まで実質的に所得税の負担をなくす「ゼロ税率」の導入などを挙げた。独仏など海外で導入されている。 原案は、給料などの個人所得に対する課税について、「所得再分配機能の回復」を目指す考えを強調している。所得が多いほど税負担が重くなる「累進性」を高めて、「低所得層の負担軽減を図っていくことを中心に検討すべきだ」とした。 具体策として、ゼロ税率のほかに、いったん算出した所得税額から一定額を差し引くことで実際の納税額が少なくなる「税額控除」を例示した。収入から仕事に必要な経費などを差し引く「所得控除」の対象者を制限することも挙げている。
公明党の山口代表は5日の記者会見で、消費税8%時に導入された低所得者層向けの負担緩和策である簡素な給付措置について、「国民の申請率が低い。横浜市などで66・1%程度、他の多くの自治体も6~7割にとどまっている。3~4割の納税者は権利がありながら、受けられないで終わっている。非常に効果の弱い仕組みだ」と指摘した。 その上で、生活必需品などの税率を最初から低く抑える軽減税率に関して「購入した時に軽減の効果が100%及ぶ。圧倒的に優れている」と強調した。 簡素な給付措置は、国が自治体を通じて、食料品など生活必需品にかかる消費増税分に相当する額を一定の所得以下の人に支払う制度だ。しかし、手続きの煩雑さや「申請することが、貧困とみられる」との心理的な負担が制度普及の障害になっているとみられる。 民主党は消費増税に対する負担緩和策として、給付措置を恒久的に続ける「給付つき税額控除」を求めているが、軽減
家康の人物像を象徴する「しかみ像」は三方原の敗戦とは無関係なのか(「徳川家康三方ヶ原戦役画像」を模写、絵・富永商太) 徳川家康は、派手好きな織田信長や豊臣秀吉とは違って、地味で我慢強いという人物評が一般的だろう。 城郭考古学が専門の千田嘉博・奈良大学長と全国の家康に関係した地を歩くうちに、本当に家康はそんな人物だったのだろうかと疑問に思うことがあった。例えば、秀吉政権の「首都」だった伏見城(京都市)城下にある御香宮(ごこうのみや)神社に晩年の1605年に家康が建てた本殿(重要文化財)は非常に派手な極彩色で、「これが家康の趣味なのか」と驚いた。 ◎嫁入り道具と判明 我慢強い家康像として、近年、テレビドラマやマンガなどだけでなく、学術書にも取り上げられているのが、徳川美術館(名古屋市)が所蔵する「徳川家康三方ヶ原戦役画像」、通称「しかみ像」だ。 1572年に武田信玄に三方原(みかたがはら)で大
【ワシントン=安江邦彦、北京=鎌田秀男】国際通貨基金(IMF)はIMFの「特別引き出し権(SDR)」を構成する通貨に、中国の通貨・人民元を採用する方向で最終調整に入った。 主要国に異論がなければ、IMFは11月に開く理事会で最終決定する。中国は人民元の国際的な地位を高めるため国際通貨であるSDRへの採用を求めてきた。 SDRは加盟国がIMFからお金を借りたり返したりする時に利用される単位。米ドル、日本円、ユーロ、英ポンドの4通貨を基に算出されている。 SDRの構成通貨となるには「輸出の規模」と「自由に利用可能」の二つの基準を満たす必要がある。中国は世界最大の輸出国で前者の基準を満たしていたが、後者については課題となっていた。IMFは中国が国際的に決済可能な取引所を増やすなど、通貨の自由化に向けた改革を進めていることを評価したとみられる。
2000年に起きた「鳥取県西部地震(※1)」は、活断層の存在が知られていなかった場所で発生し、専門家の多くにとっても不意打ちだった。今年は発生から15年となる。未解明な点が多い山陰地方の内陸地震に対して精力的な調査や観測が続けられ、地殻変動や地盤構造の特徴が次第にわかってきた。(浜中伸之) ◇GPSで確認 京都大防災研究所の西村卓也准教授(地殻変動論)は昨年1月、山陰地方の〈異変〉に気付いた。国土地理院が全国約1300か所に設置している全地球測位システム(GPS)の観測データを使って、地盤のわずかな動きやひずみの蓄積をつかもうと解析を進めていた時のことだった。 西日本沖の太平洋では、海側のプレート(巨大な板状の岩盤)が南東から北西に向かって進み、南海トラフから陸側プレートの下へ沈み込んでいる。 西村准教授の解析によると、このプレート運動に伴って、近畿や四国地方は北西へ1年に最大5センチ程度
安倍首相は、先の自民党総裁選の公約で掲げた「介護離職ゼロ」の実現に向け、特別養護老人ホーム(特養)の大幅な整備に乗り出す方針を固めた。 全面的に介護が必要な入所待機者を、2020年代初めまでに解消することを目標に掲げ、16年度当初予算から特養の整備費用を拡充する。24日の記者会見で、社会保障制度改革の最重要施策として表明する。 首相の記者会見を踏まえ、政府は、少子高齢化や、労働力人口の減少を食い止める策の検討に向け、経済界や労働界などでつくる「国民会議」を創設する。 特養の入所待機者は、13年度で全国に約52万人いる。このうち、身の回りの世話が一人ではできず、自宅で待機している「要介護3」以上の約15万人をゼロにすることを目標とする。 特養を増やす具体策として、政府は、消費増税分を原資とする「地域医療介護総合確保基金」(15年度の介護分で724億円)を財源として活用する。社会保障の財源とし
自民、公明両党は15日、2017年4月に消費税率を10%に引き上げる際の負担緩和策として、飲食料品など生活必需品にかかる消費税率を低く抑える軽減税率制度を導入する方向で検討に入った。 公明党が財務省の提示した給付案への反対を鮮明にしたため、本来の軽減税率の議論に戻った。与党は軽減税率と財務省案、別の給付案という3案を並行して議論しながら、軽減税率の具体策について今秋のとりまとめを目指す。 両党はこの日、与党税制協議会・消費税軽減税率制度検討委員会(委員長=野田毅・自民党税制調査会長)の会合を開き、負担緩和策について議論した。野田氏は会合後の記者会見で、「(軽減税率と財務省案を)並べながら勉強しようということだ」と語った。これに先立つ公明党税制調査会で、山口代表は「財務省案は国民の意見とは開きがある。当初目指してきた軽減税率も引き続き検討していくべきだ」と指摘した。与党の議論は〈1〉軽減税率
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