並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

1 - 6 件 / 6件

新着順 人気順

村上春樹 騎士団長殺し 南京の検索結果1 - 6 件 / 6件

  • 第46回 ガールズ・パワーからホラーへ──クリステン・ルーペニアンによるポスト・トゥルース時代の小説戦略(矢倉喬士)|書肆侃侃房 web侃づめ|note

    2016年の大統領選挙戦以降、「ポスト・トゥルース」「フェイクニュース」「オルタナファクト」といった語が飛び交うようになった。オックスフォード辞書が2016年を代表する一語に 「ポスト・トゥルース(post-truth)」 を選出したことについて、リー・マッキンタイア(Lee Mcintyre)はその著書『ポスト・トゥルース(Post-Truth)』(2018年、未邦訳)の中で、2015年から語の使用率が2000%も急増した事実に鑑みて妥当だと述べている (Mcintyre 1)。 それでは「ポスト・トゥルース」とは何を示す語なのだろうか。千葉雅也は「ポスト・トゥルース」とは真理をめぐる諸解釈がなくなった後に揺らぐことのない事実と事実が衝突する状況だと『意味がない無意味』の中で述べている。 ポスト・トゥルースとは、ひとつの真理をめぐる諸解釈の争いではなく、根底的にバラバラな事実と事実の争い

      第46回 ガールズ・パワーからホラーへ──クリステン・ルーペニアンによるポスト・トゥルース時代の小説戦略(矢倉喬士)|書肆侃侃房 web侃づめ|note
    • 「ネトウヨ」の源流 | 荒野に向かって、吼えない…

      『グラウンド・ゼロを書く  日本文学と原爆』(ジョン・W・トリート著)の原著の刊行は1995年のことなので、むろん著者にその意図があったわけではないが、いわゆる「ネトウヨ」的なものの源流などについて考えさせられる部分があった。 1966年発表の井伏鱒二の『黒い雨』は高く評価され広く読み継がれることになるがその刊行後、、意外にも山本健吉や江藤淳といった保守派からも絶賛された。 現在では『黒い雨』は原爆の悲惨を語り継ぐ「戦後民主主義」的な作品として受けとめている人が多いであろう。それをなぜ保守派が絶賛したのだろうか。その理由は山本の「地についた平常人」の次の箇所を読むとよくわかる。 「[他の原爆文学の作品は]あまりにハードボイルドに書かれ過ぎた。あまりに政治の手に汚され過ぎた。あまりに安易な符牒で呼ばれ過ぎた。井伏さんがこれを書いてくれなかったら、私は日本人として、何時までもやりきれない思いを

      • 『街とその不確かな壁』と「老い」の問題ーー村上春樹はなぜ「コミット」しなくなったのか(4月22日追記)|宇野常寛

        村上春樹の新作長編『街とその不確かな壁』を、発売当日に電子書籍で購入してKindleで一気に読み通した。結論から述べるとこの作品は近年の、というか『1Q84』の〈BOOK3〉以降の自己模倣と内容の希薄化の延長にある作品で、彼の長編の中でももっとも記憶に残らない薄弱な作品の一つになってしまっていると言わざるを得ないだろう。 僕は半年前に出版した『砂漠と異人たち』で、この村上春樹について20世紀後半を代表するパーソナリティとして扱い総括的な批評を試みた。そしてこの『街とその不確かな壁』という小説は僕の『砂漠と異人たち』での村上についての総括から、半歩も踏み出していないように思う。それは、とても残念なことだ。 FacebookやTwitterで実績はないけれど自分を知的に見せたくて仕方がない人たちとは異なり、批評家とは天の邪鬼な生き物で常に作家に、正確には作品に「敗北」したがる生き物だ(そもそも

          『街とその不確かな壁』と「老い」の問題ーー村上春樹はなぜ「コミット」しなくなったのか(4月22日追記)|宇野常寛
        • 村上春樹さん特別インタビュー①

          休まず書き続けた 最初に題名だけがあった 秋成「二世の縁」と重ねて 村上 ちょうど40年前の5月に、群像新人賞をもらいました。授賞式は確か5月8日。会場は新橋の第一ホテルでした。 ―40年間、現役で出ずっぱり。夏目漱石でも作家活動は10年ほどです。休まず小説を書き続けてきた、本当に珍しい作家ですね。 村上 10年くらいごとに節目があって、その節目ごとに小説や文章のスタイルが変化してきて、自分でも書いていて飽きなかった。いつも新しい目標があった。それがよかったのではないかな。 ―その多くの作品の中で文庫が出たばかりの長編「騎士団長殺し」についてまずお聞きしたい。 ▽響きに惹かれて 村上 これは題名が最初なんです。もちろんモーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」から思いついた題ですが、「騎士団長殺し」という言葉の不思議な、不穏な響きに心を惹(ひ)かれて、そういうタイトルで日本を舞台にした物語が

            村上春樹さん特別インタビュー①
          • 村上春樹が長編小説『騎士団長殺し』とエッセイ『猫を棄てる』に込めた歴史修正主義との対決姿勢! 父親の戦中の凄惨な中国人虐殺の記憶を… - 本と雑誌のニュースサイト/リテラ

            【終戦記念日特別企画】日本の加害責任を検証するアンコール特集 その4 村上春樹が長編小説『騎士団長殺し』とエッセイ『猫を棄てる』に込めた歴史修正主義との対決姿勢! 父親の戦中の凄惨な中国人虐殺の記憶を… 75年の節目を迎えた今年の終戦記念日、リテラ が日本の加害責任を改めて問う企画をお届けしているのは、歴史修正主義の跋扈によって、日本軍の戦争犯罪がなかったことにされ、メディアの戦争回顧企画も日本人兵士が国のために命を散らした美談や日本人が辛苦に耐えたが苦労話ばかりが目立つようになったからだ。 しかし、そんななかで、逆に意外な人物が日本の戦争犯罪を真正面からとらえ、歴史修正主義と対決する姿勢を示すようになった。それは、小説家の村上春樹だ。 2018年に発表した長編小説『騎士団長殺し』では、南京大虐殺について「打ち消しがたい事実」と書き、日本兵による中国人捕虜の虐殺場面を生々しく描いた。そして

              村上春樹が長編小説『騎士団長殺し』とエッセイ『猫を棄てる』に込めた歴史修正主義との対決姿勢! 父親の戦中の凄惨な中国人虐殺の記憶を… - 本と雑誌のニュースサイト/リテラ
            • 『猫を棄てる 父親について語るとき』(文藝春秋) - 著者:村上 春樹 - 鴻巣 友季子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

              著者:村上 春樹出版社:文藝春秋装丁:単行本(104ページ)発売日:2020-04-23 ISBN-10:4163911936 ISBN-13:978-4163911939 村上春樹「猫を棄てる」をめぐって『1Q84』を境に、村上春樹の小説では親子関係の描かれ方が変わった。それまで、親子関係は表立って詳細に描かれることはなく、仮に親子が登場しても、『ダンス・ダンス・ダンス』のように、十三歳の娘が写真家の母に放置されていたり、『国境の南、太陽の西』のように、裕福な「僕」が愛車BMW320を駆って青山の名門幼稚園にお迎えにいくのが、親子のふれあいだったりした。 パターナリズムの影がいきおい濃くなるのは、『海辺のカフカ』だ。主人公の少年が実父から、「いずれ父を殺して母と姉と交わることになる」というオイディプス神話的呪いをかけられる。とはいえ、父と息子の関係が直接的に縷々描かれたわけではない。 し

                『猫を棄てる 父親について語るとき』(文藝春秋) - 著者:村上 春樹 - 鴻巣 友季子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
              1