「ネトウヨ」の源流 | 荒野に向かって、吼えない…

『グラウンド・ゼロを書く 日本文学と原爆』（ジョン・Ｗ・トリート著）の原著の刊行は１９９５年のことなので、むろん著者にその意図があったわけではないが、いわゆる「ネトウヨ」的なものの源流などについて考えさせられる部分があった。 １９６６年発表の井伏鱒二の『黒い雨』は高く評価され広く読み継がれることになるがその刊行後、、意外にも山本健吉や江藤淳といった保守派からも絶賛された。 現在では『黒い雨』は原爆の悲惨を語り継ぐ「戦後民主主義」的な作品として受けとめている人が多いであろう。それをなぜ保守派が絶賛したのだろうか。その理由は山本の「地についた平常人」の次の箇所を読むとよくわかる。 「［他の原爆文学の作品は］あまりにハードボイルドに書かれ過ぎた。あまりに政治の手に汚され過ぎた。あまりに安易な符牒で呼ばれ過ぎた。井伏さんがこれを書いてくれなかったら、私は日本人として、何時までもやりきれない思いを

[haruhiwai18]

"「〇〇に政治を持ち込むな」とは今に始まったことではなく、保守派にとって『黒い雨』はこれまでの「原爆小説」と違い、文学に政治を持ち込まなかったものだとして評価した"　→昔からこの話法は存在するのだった。

[zu2]

“「〇〇に政治を持ち込むな」とは今に始まったことではなく、保守派にとって『黒い雨』はこれまでの「原爆小説」と違い、文学に政治を持ち込まなかったものだとして評価したのである”

[wkatu]

『結果として右翼や冷笑家と歩調を合わせてしまった人々は、所詮は「旧世代の左翼」に甘えていただけであり、自分がいざ行動を起こした時…自分たちが…育てたシニシズムによって冷たくあしらわれることになった』

[yuri_donovic]

『グラウンド・ゼロを書く-日本文学と原爆』、言及されている原爆文学の主要作品、『この世界の片隅に』。このほか、関連して『従順さのどこがいけないのか』。

[t-kawase]

力作評論。『黒い雨』の評価と、中上健次の話は勉強になった。

[bt-shouichi]

“「〇〇に政治を持ち込むな」とは今に始まったことではなく、保守派にとって『黒い雨』はこれまでの「原爆小説」と違い、文学に政治を持ち込まなかったものだとして評価したのである。”

[Reiche]

❝ここを読んでいて、既視感が湧いてきた人もいるだろう。そう、『この世界の片隅に』とその受容のされ方である。❞

[kazutox]

「黒い雨」（1966）と江藤淳など