持続可能なエネルギー社会への転換が急務となる中、現代のモバイル機器や電気自動車(EV)を支えるリチウムイオン電池(LIB)は、資源の希少性とコスト増大という深刻なボトルネックに直面している。この課題を解決する次世代の旗手として長年期待されながらも、技術的な停滞が続いていた「カルシウムイオン電池(CIB)」において、今、歴史的なブレイクスルーが達成された。 香港科技大学(HKUST)の研究チームが、レドックス活性を持つ共有結合性有機構造体(COF)をベースとした「擬固体電解質(QSSE)」を開発し、カルシウムイオン電池の致命的な弱点であった「遅いイオン輸送」と「不安定なサイクル特性」を同時に解決したのだ。 リチウムを超え得る「カルシウム」の潜在能力と、立ちはだかる高い壁 カルシウムは地球上で5番目に豊富な元素であり、その埋蔵量はリチウムとは比較にならないほど潤沢である 。さらに、カルシウムイ

