告げられた余命はわずか3カ月。生還か、永遠の別れか――。 「自分の全力を懸けます。この僕のいうことを聞いてください」 「僕は山中先生を信じるって決めたんや」 2016年10月に永眠した、元ラグビー日本代表監督の平尾誠二さん。死の影が日々迫るなか、ノーベル賞受賞者の山中伸弥さんが彼を支え続けていたことはあまり知られていない。 40半ばを過ぎて出会った大人の男たちの間に生まれた、知られざる物語を綴ったのが『友情~平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」』だ。 本書の中から、山中さんが平尾さんとの思い出を語ったパートを特別公開する。 思っていた通りの「男」だった 初めて平尾誠二さんとお話をしたのは、2008年だったと思います。 ある晩、神戸大学医学部の先輩と後輩、僕の三人で食事をしていました。先輩は僕より十歳ぐらい上で、当時は整形外科の教授でした。後輩は二、三歳下で、神戸大医学部のラグビー部でも一緒でし
