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ブックマーク / econ101.jp (30)

  • マーク・ソーマ 「緊縮論者の真の狙いとは?」(2012年6月1日)

    緊縮論者の真の狙いは何なのだろうか? クルーグマンの見立てによると、その答えは以下の通り。 “The Austerity Agenda” by Paul Krugman, Commentary, NYTimes: 「景気が落ち込んでいる時(スランプ期)ではなく活況を呈している時(ブーム期)こそが、緊縮に乗り出すべき好機なのだ」。ケインズがそう言い放ったのが75年前。そして、彼は正しかった。・・・(略)・・・景気がガチガチに冷え込んでいる最中に支出を切り詰めるというのは、自滅的な戦略なのだ。・・・(略)・・・すなわち、景気をさらに冷え込ませるだけなのだ。 そうだというのに、イギリス政府はやるべきじゃないことをやっている。どうしてなんだろう? ・・・(略)・・・キャメロン政権の緊縮路線を支持している何人かの論者に疑問をぶつけてみたが、・・・(略)・・・誰も彼もが同じようなパターンの返答を寄こし

    マーク・ソーマ 「緊縮論者の真の狙いとは?」(2012年6月1日)
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    sgo2 2023/04/20
    日本の体制側が緊縮的なのは米/トイレットペーパー/マスク/etcの不足で殺気立つ国民を見て学習した結果、「モノの(数量/価格的な)安定供給」を成長より優先してるせいかと。
  • ブラッド・デロング 「マーティン・ウルフは経済学の理解が深い」(2010年9月27日)

    それとは対照的に、ジョン・コクラン(John Cochrane)はというと・・・。 コクランがポール・クルーグマン(Paul Krugman)に不満をぶつけている。その理由はというと、自分の発言をクルーグマンに「正確に」引用されたからだという。 クルーグマンは増える一方の敵に泥を投げつけていると指摘しているのは、シカゴ大学のジョン・コクラン。「議論するなかれ。中傷せよ。昔のインタビューから相手が恥ずかしがるような発言を見つけ出してきて引用せよ。・・・ってなわけだ。ポール殿の幸運を祈るばかりだ。ただし、貴殿がやっていることが経済学と関わりがあるかのようなフリだけはしないでもらいたい」。 「恥ずかしくなるような過去の発言」を引用されたのどうのというのが問題なんじゃない。コクランは、初歩レベルの間違いを何度も繰り返し犯して、論争のレベルを引き下げている。無知を晒してばかりいる。そこが問題なのだ。

    ブラッド・デロング 「マーティン・ウルフは経済学の理解が深い」(2010年9月27日)
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    sgo2 2023/04/11
    ①貨幣は交換/価値の評価&貯蓄する為のトークン②行政サービスを除けば政府は基本的に再分配してるだけであるから、経済に釣り合わなければ政府が行政サービス諸共死ぬかインフレ招く(逆に成長に釣り合うなら無問題)
  • ダロン・アセモグル、他「産業用ロボットが労働者に:勝者と敗者」(2023年3月31日)

    コラムでは、オランダのデータを用いて、直接的に影響を受ける労働者は収入と雇用率の低下に直面する一方、その他の労働者はロボット導入によって間接的に利益を得ることを示します。 (著者情報) Daron Acemoğlu マサチューセッツ工科大学(MIT) 教授 Hans Koster アムステルダム自由大学 教授 Ceren Ozgen バーミンガム大学 准教授 理論的には、ブルーカラーの定型的な職業に従事する労働者など、代替可能な作業を行う「直接影響を受ける」労働者は、ロボット導入によって損失を被る可能性が高く、一方で、ロボットがもたらす生産性の向上は、補完的な作業を行う労働者に利益をもたらす可能性があるとされています。しかし、こうした一次保護に関する証拠は驚くほど少ないです。コラムでは、オランダのデータを用いて、直接的に影響を受ける労働者は収入と雇用率の低下に直面する一方、その他の労働

    ダロン・アセモグル、他「産業用ロボットが労働者に:勝者と敗者」(2023年3月31日)
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    sgo2 2023/04/10
    分配の仕組みの見直しが必要。ただし政府などの施策をボケっと待ち続けるだけではなく、(ロボット企業などに)投資するという自己防衛の手段もあるの併用すべき。
  • ニック・ロウ 「ところで、『政府の予算』と『家計の予算』ってどこがどう違うの?」(2017年10月27日)

    おそらくあなたも目にしたことがあるだろう。 経済学に疎い素人が「政府は、家計と同じように、収入の範囲内で暮らさなくちゃいけない」みたいな発言を口にしているのを。そして、経済学者がその発言主を指さして嘲笑し、「そんなのは誤謬だ」と断罪しているのを。 さて、質問だ。「政府の予算」と「家計の予算」ってどこがどう違うんだろう? その違いって重要なんだろうか? これらの問いに私なりの回答を寄せるのが今回のエントリーの目的だ。「教育的な」側面を持つエントリーといっていい。 「政府の予算」と「家計の予算」を分(わ)かつとされる違いのうちで、質的にも量的にも重要な意味を持つ違いって果たしてあるんだろうか? 私にはその点が明らかじゃないのだ。 1. 政府は、強制力を行使して(あるいは、強制力を行使する可能性をちらつかせて)収入(税収)を増やすことができる。家計は、そうはできない。 この違いは、政治絡みで重要

    ニック・ロウ 「ところで、『政府の予算』と『家計の予算』ってどこがどう違うの?」(2017年10月27日)
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    sgo2 2023/04/07
    r>gだから利息を成長で払い切る事は現実的ではなく国債残高は膨張を続ける。尤も比率が保てれば問題は無い。しかし底が0以下なのは不変なため絶対値での差(要は格差)は広がる。
  • ノア・スミス「格差は縮みつつあるのかも」(2023年1月2日)

    “Piketty’s Lecture 1” by European University Institute, CC BY-SA 2.0. そうでありますように 近頃あんまり聞かなくなった名前といえば,トマ・ピケティだ.2013年に,かのフランス人経済学者は『21世紀の資』刊行でいっきに世間の人々に知られるようになった.同書でピケティが述べた主張は,ようするにこういうものだった――「外的な要因がはたらかないかぎり――戦争や大規模な政府の行動による介入がないかぎり――資主義はおのずと格差をどんどん広げがちだよ.」 その主張を要約したのが,あの有名な “r > g” だ.この式は,簡潔でいて多くを物語っている.それは,資の利益率 (r) が経済全体の成長率 (g) を上回っていると,格差は機械的に開いていくってことだ.ピケティによれば,20世紀前半に格差が大きく開いていたものの,大恐慌と

    ノア・スミス「格差は縮みつつあるのかも」(2023年1月2日)
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    sgo2 2023/01/24
    資産や収入のグラフを見ると分かるけど、上位a%の資産と下位b%の資産が同じとか良く言われるけど、その他の層の資産/所得の方が余程多い。(要するに税を取るなら中間層からも取るべき)
  • アダム・トゥーズ「アメリカの犯罪者を生み出すシステムは、多くのアメリカ人を雇用から締め出し、その人生を蝕んでいる」(2022年11月20日)

    時々、偶然目にする数字に足止めされてしまうことがある。先週はこの数字だった。 以下は、2018/19年のランド研究所によるものだ。 高等教育を受けていない26歳から35歳の(アメリカ人)男性のうち、60%が26歳までに逮捕されたことがあると回答した。対照的に、同年齢層の大卒男性は23%である。この数値には人種による差はほとんど見られない。 少しこの件を考えてみよう。 アメリカの若者の60%は、高等教育を受けていない。これはほぼ労働者階級と見なせるだろう。そして、この階層の人たちのほとんどは、26歳までに少なくとも一度は逮捕されたことがある。 驚くべき事実だが、この報告書の著者ジェイムズ・P・スミスは、逮捕率の割合が時代の経過と共に劇的に上昇していることを発見した。 26歳までに最低一度は逮捕されたアメリカ人の割合(出生年齢別区分) 出典:ランド研究所 2010年代の26~35歳のアメリカ

    アダム・トゥーズ「アメリカの犯罪者を生み出すシステムは、多くのアメリカ人を雇用から締め出し、その人生を蝕んでいる」(2022年11月20日)
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    sgo2 2022/11/24
    そもそも犯罪歴=約束事を守れないという烙印なのだから犯罪犯す奴が馬鹿なのだけど、冤罪&カジュアルな逮捕が多過ぎという問題が同居してるのが厄介ではある。
  • サイモン・レン=ルイス「どうしてイギリスの実質賃金はこうも伸び悩んでいるのか」(2022年6月20日)

    [Simon Wren-Lewis, “Why has UK real wage growth been so low?” Mainly Macro, June 20, 2022] このところ,国内の労働市場が売り手市場になっている期間が続くなかで,イギリスの実質賃金は下がっている.このことに驚きを示している人たちもいる.(この売り手市場は,失業率が上がり始めるとともに終わりをむかえるかもしれない.) 今年4月までに,固定給(賞与を除外)の1ヶ月当たり平均収入の実質水準は,こういう推移をたどってきた(消費者物価で実質化してある): この数値の水準は,パンデミックが原因で2020年に少しばかり混乱した.だが,最近の実質賃金の低下は十分に現実的だ.ここには,固定給よりも消費者物価インフレの上昇が反映されている.この4月に,消費者物価インフレ率は,固定給の伸びを上回って 3% 以上に達した. 「

    サイモン・レン=ルイス「どうしてイギリスの実質賃金はこうも伸び悩んでいるのか」(2022年6月20日)
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    sgo2 2022/07/14
    「政府という単一のモジュール」に色々役割を持たせ過ぎ。医療/衛生/教育/治安/etcがコアな行政サービスで税金はその料金、財政は支払いのやり繰りを代行してると考えた方がシンプル。
  • ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)

    [Noah Smith, “Japan’s living standards are too low,” Noahpinion, May 24, 2022] 働きづめでも報われない国 日からこんにちはこんにちは! 2週間の旅行でこっちにきてて,せっかくだから日について何か記事を書こうと思う.まずは,経済の話からはじめよう. たいていの人たちが日について最初に気づくのは,各地の都市がいかにすばらしいかってことだ.とりわけ東京は,現代の驚異だ.キレイに刈り込まれた木々に取り囲まれて,設計のしっかりしたぴかぴかのビル群がそびえたっている.レストランやお店や各種の娯楽は目眩がするほど数知れず,どれもこれもすばらしい.どこも混み合ってるけれど,それでいていつもなぜか静謐を感じさせる.そして,ほんの数分歩けば電車の駅にたどり着いて,そこからどこでも必要な場所に向かえる.他のどんな国もおよばない

    ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)
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    sgo2 2022/05/24
    金を出さず経済成長や再配分の恩恵だけ受けるのは不可能で、例え無税でもインフレ税の形で貯金を奪われる。回避するには投資/消費するしか無いけど、民間投資/消費が活発なら財政出動は要らない。
  • ノア・スミス「輸入は GDP から差し引かれないよ」(2022年4月29日)

    [Noah Smith, “Imports do not subtract from GDP,” Noahpinion, April 29, 2022] 経済ジャーナリズムでいちばんありがちなまちがい 今朝,『ニューヨークタイムズ』を読んでたら,こんな話が目にとまった――2022年の第1四半期にアメリカの GDP が減少したのは,輸入が増えたせいなんだって: 他方で,ますます膨れ上がった貿易赤字によって,第1四半期に GDP 成長が3パーセントポイント以上も下がった.国外で生産されているので,輸入は国内総生産 (GDP) から差し引かれる.そして,アメリカの消費者たちが支出をしつづけるなか,この数ヶ月で,輸入は急増している.だが,GDP に加算される輸出は伸び悩んでいる.ひとつには,海外での経済成長が低調なためだ.(太字強調はノア・スミスによるもの) 太字にした箇所は,正しくない.というか

    ノア・スミス「輸入は GDP から差し引かれないよ」(2022年4月29日)
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    sgo2 2022/05/02
    輸入したモノを運んだり売ったりするサービスや梱包等のモノが増えるが、GDP算出に使う"輸入"の数字にはそれらが入ってないと説明すれば良い。差し引かれないと表現するのは混乱を招くだけかと。
  • ノア・スミス「ニューヨークタイムズのMMT記事は悪質な提灯記事だ」(2022年2月7日)

    Noah Smith “The NYT article on MMT is really bad – The fringe ideology’s star is falling, and puff pieces will not resuscitate it-” Noahpinion, February 7, 2022 ニューヨークタイムズがMMTを持ち上げる長文記事を出した。その名も「勝利への階段を登る時*」だ。この記事はTwitter上にいるほとんどすべてのマクロ経済学者の怒りを引き起こしたけれど、それも無理なからぬ話。この記事は、今俎上に上がっている論点や政策議論の現状についてほとんど理解していないことが丸わかりだし、美麗字句を並び立てることで、それが占めてもおらず見合いもしない重要で中心的な位置へと異端イデオロギーを持ち上げているんだ。 MMTについて書く前にマクロ経済学者に訊いて

    ノア・スミス「ニューヨークタイムズのMMT記事は悪質な提灯記事だ」(2022年2月7日)
    sgo2
    sgo2 2022/02/10
    今起きているインフレが財政出動と無関係だとしても、それにどう対処すれば良いのか示せなければ"抵抗は無い物とする"と変わらない。
  • ステファニー・ケルトン「MMT≠QE:量的緩和も『お金を刷れ』もMMTではない」(2021年8月26日)

    もうすぐ授業を始めないといけないが、昨日話題になっていたメディアの切り抜き動画について、さっとコメントしておきたいと思う。 動画は、ブルームバーグTVからの切り抜きで、『ブルームバーグ・サーベイランス』〔番組〕の司会トム・キーンが、JPモルガン・アセット・マネジメントのCIOボブ・ミシェルと話している。キーンは初めにこう切り出す。 「ストーニー・ブルック(大学)のステファニー・ケルトンは、世界を変えました。現代貨幣理論(MMT)を世に出したのです。しかも私たちは今ある種のMMTの実験をしているところですが、金融メディアはこのことについて十分に報道していません。誰もが心なしか、この理論がなくなってしまえばいいと願っているからです。これほどの影響を与えているものに対して不公平な扱いです。」 議論の続きでは、MMTの「実験」には、パンデミックに対抗するための大規模な財政支援(と多額の財政赤字)だ

    ステファニー・ケルトン「MMT≠QE:量的緩和も『お金を刷れ』もMMTではない」(2021年8月26日)
    sgo2
    sgo2 2022/01/04
    要は"必要な支出(というよりサービス)"を出し惜しむなって事で政府側はそれでOK。が、国民側は、支払い計画を考える必要がある(と言っても柔軟性が高いから適当で良い)。それを政府に(厳密に)決めさせてるのが混乱の元
  • ノア・スミス「脱成長論はろくでもないってみんなも気づきつつある」(2021年9月5日)

    [Noah Smith, “People are realizing that degrowth is bad,” Noahpinion, September 5, 2021] 脱成長論者が提唱してる狂った構想は,地球を救う物の対策からぼくらの気をそらしてしまう幻想だ. 「脱成長」を唱える人たちがいる――地球を救うために経済成長を停止する必要があるのだと,彼らは言う.今回は,これがすごくダメなアイディアである理由を解説する長文記事を書くつもりでいた.ところが,ぼくが書くまでもなく,すでにそういう文章を書いてる人たちやポッドキャストで語ってる人たちが他にいる.たとえば,ブランコ・ミラノビッチ,ケルゼイ・パイパー,エズラ・クラインといった人たちだ.そこで,かわりに今回は各種の脱成長論をカタログにまとめて,その要点をとらえることにしよう. ただ,その前にまずは,標準的な主張を見ておこう.そうす

    ノア・スミス「脱成長論はろくでもないってみんなも気づきつつある」(2021年9月5日)
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    sgo2 2021/09/22
    一般に経済と言われるのはGDPで示される"消費金額"であり"物質の消費"とは必ずしも一致しない。一方で"消費金額"は国の税収や個人の所得&生活に直結するので、"物質消費"の為に経済と闘うのは愚かな戦略。
  • タイラー・コーエン「スウェーデンでは,ワクチン接種した人にお金をあげるんですって(実験で)」(2021年7月26日)

    [Tyler Cowen, “Sweden will pay people to get vaccinated,” Marginal Revolution, July 26, 2021] 少額の現金インセンティブでワクチン接種が改善できるかどうかを検証するヨーロッパ最大規模のテストで,スウェーデンのボランティアたちは免疫化に1人当たり17ポンド支払われる(…) ルンド大学の経済学教授 Erik Wengstrom が主導するスウェーデンの研究では,もっと穏当な手法が用いられている. 今後数週間にわたって,60歳以下でワクチン未接種の人々 8,200名が複数のグループにわけられる.一部のグループは,ワクチンを接種すれば,たいていの店舗で利用できる200スウェーデンクローナ(およそ2,550円)相当のバウチャーが渡される. このお金は,他国で検討中の金額に比べて数割だが,Wengstrom に

    タイラー・コーエン「スウェーデンでは,ワクチン接種した人にお金をあげるんですって(実験で)」(2021年7月26日)
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    sgo2 2021/07/26
    そもそも税率が高いから収支を合わせたら日本とさほど変わりは無いかもしれないけど、動いた金額に差があるのが重要。景気とは金の流量。
  • ピーター・ターチン「起業家は非合理的なのか?(結論:その通り――標準的な経済理論によれば)」2018年7月22日

    ピーター・ターチン「起業家は非合理的なのか?(結論:その通り――標準的な経済理論によれば)」2018年7月22日 Are Entrepreneurs Irrational? (According to Standard Economic Theory) July 22, 2018 by Peter Turchin 私にとってヴィクター・ウォンとグレッグ・ホロウィットの「熱帯雨林:次のシリコン・バレーを作り上げるための秘密」 [1]The Rainforest: The Secret to Building the Next Silicon Valley で最も目から鱗だったのは、自身でイノベーション企業を立ち上げるのが徹底して非合理的な決断であるという認識だ [2]ピーター・ターチン「資主義は協調を破壊するのか?」参照 。投資することになる努力(及びしばしば自身の資金)の量と、極めて低い

    ピーター・ターチン「起業家は非合理的なのか?(結論:その通り――標準的な経済理論によれば)」2018年7月22日
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    sgo2 2021/04/02
    ペイするのが起業家であるならそうだろうけど、大抵は投資家に払わせてるかと。
  • ビル・ミッチェル 「主流経済学者は本当に大赤字と国債買入を受け入れたのか?」(2021年2月23日)

    (http://bilbo.economicoutlook.net/blog/?p=46945です) ジョン・メイナード・ケインズは1930年に「孫のための経済的可能性」という小文を書いた。彼は向こう100年のうちに技術的なシフトが起こり、労働者は週に15時間しか働けなくなるだろうと考えていた。この予言はそうした生産性の向上が起こったという意味では正しかったが、労働者がそこから利益を得るという意味では間違っていた。ケインズは生産性が均等に分配されると考えていたのだ。彼が過小評価したのは資が利潤から利潤を吸い上げる能力、そして、そのために国家を掌握して立法や規制の力を利用して賃金の伸びを抑制することを確実にする能力だった。 主流経済学者たちは資の代理人として、不平等の拡大と国家の再構成に手を貸してきた。このことは、財政赤字及び中央銀行の債務購入について、主流派経済学者の見解が明らかに変化

    ビル・ミッチェル 「主流経済学者は本当に大赤字と国債買入を受け入れたのか?」(2021年2月23日)
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    sgo2 2021/02/28
    労働者側が勝利するのに必要なのは、最悪職を失っても良いという覚悟と、それを支える為の相互支援かと。投資家も兼業するという別解もあるけど(独りでも出来る&委も出来るのでこちらの方が簡単)。
  • ノア・スミス「最低賃金への反論を考える」(2021年1月27日)

    [Noah Smith, “The minimum wage pushback,” Noahpinion, January 27, 2021] もっともな懸念もあれば,そうでもない懸念もある 2週間ほど前,連邦最低賃金がかなり安全な政策である理由について長文の記事を書いた〔翻訳〕.あのあと,最低賃金懐疑派の人たちから手厳しい反論が出てきた.なかには,ぼくの同僚もいる.そうした反論は,ただ罵倒して却下するのではなくまじめに取り上げる値打ちがある.そこで,反論をひとつずつ取り上げていこう.ただ,まずは,政策全般について,費用・便益・リスクの話をしておきたい. 費用・便益・リスク 最低賃金をめぐる議論の大半は,その政策がもたらしうる費用の話が中心になっている――とくに,最低賃金によって失業が引き起こされるのかどうか,という論点がある.これは,ものすごい悪手に思える.一般に,どんな政策であろうとか

    ノア・スミス「最低賃金への反論を考える」(2021年1月27日)
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    sgo2 2021/02/13
    労働者を働かせる事で利益が出続けている限りは、その利益がどれだけ減ろうが解雇の決定打になる筈が無く。(ゼロやマイナスになれば流石に決定打になるだろうけど)
  • ノア・スミス「政府負債の危険なんて、誰もわかっちゃいない」(2021年1月22日)

    (ツイッター上でのアドバイスを受けて一部訳を変更しました) たぶん、経済学者はこの面白そうな問題を考えるべきなんだろう。 Noah Smith No one knows how much the government can borrow マクロ経済学で最も重要な疑問の1つ、それは変な話だけど経済学者が研究しない事を選んでいる疑問だ。その疑問とは、「政府はどれだけ安全に借りることができるか」。 じつのところ、この疑問への答えは誰も知らない。そして、誰も答えを知らないんだから、これが今、考えなきゃいけない特に重要な疑問なのかどうも誰も知らない。COVIDの救済支出の結果、合衆国の連邦政府負債がGDPの125%まで、2008年の金融危機前のGDPの60%くらいから急増してしまってるんだから、借り入れの制約について考える時なんじゃないのと、あなた思ってない?そしてバイデンがこれから数年、さらに赤

    ノア・スミス「政府負債の危険なんて、誰もわかっちゃいない」(2021年1月22日)
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    sgo2 2021/01/30
    孫正義の借金と多重債権地獄に落ちた人の借金の違いを考えると良いかと。借金で何をするかによって「安全な水準」は変わる。
  • アレックス・タバロック「同じ量のワクチンで接種回数を2割増しにする魔法とサプライチェーン最適化」(2021年1月14日)

    [Alex Tabarrok, “The Magical Extra Doses and Supply Chain Optimization,” Marginal Revolution, January 14, 2021] ファイザー製ワクチンを使って薬剤師たちがワクチン接種をはじめたところ,標準的な 5回分小瓶から 6回~7回の投薬が可能なのを発見した.追加分はどこから生まれたんだろう? べつに,規定量を超える量が瓶につめられていたわけじゃない.小瓶には,標準的な注射器を使ったらきっかり5回分になる量しか入っていない.ところが,ワクチン接種会場によっては,死容積が少ない注射器が利用できたところがあった.「死容積が少ない」とは,注射が終わったときに吸引具と注射針のあいだに残るワクチンが少なくてすむ,ということだ.このため,死容積が少ない注射器を使うと,注射器に残ったまま無駄になるワクチンが

    アレックス・タバロック「同じ量のワクチンで接種回数を2割増しにする魔法とサプライチェーン最適化」(2021年1月14日)
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    sgo2 2021/01/15
    図を見ると、無駄の多い方は針だけ交換出来る構造に見える。
  • ノア・スミス「移民がやってきても賃金が下がらない理由」(2020年12月30日)

    [Noah Smith, “Why immigration doesn’t reduce wages,” Noahpinion, December 30, 2020] 証拠に耳をかしてもらえるわけじゃないけれど… この記事では,移民がやってきても,その国で生まれ育った人たちの賃金が下がらない理由を解説する(ただし,一握りの特別な状況ではもしかすると少しばかり下がるかもしれない).ただ,その話に入る前に,ぜひ理解してほしいことがある:誰も,この記事で意見を変えないだろうってことだ.それには2つ,理由がある. 第一に,人々は社会科学の証拠をほんきで信じていない.頑健な研究結果のほぼすべてが同じ方向を示していても,最低賃金の効果について大学の経済学者たちの意見が実証研究によって変わるまで,何年も,何年もかかった.大学の経済学者ではないふつうの人となると,信頼できる社会科学がどういうものなのかって

    ノア・スミス「移民がやってきても賃金が下がらない理由」(2020年12月30日)
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    sgo2 2021/01/03
    ベストは「移民は(可能だが)必要が無い状態」であって、必要な状態を放置して禁止しようとするのも、積極的に受け容れようとするのも、どちらも馬鹿げている。移民の祖国の問題こそ解決すべき。
  • ノア・スミス「新しいマクロ経済学:「みんなにお金あげろ」」(2020年12月6日)

    [Noah Smith, “The new macro: ‘Give people money‘”, Noahpinion, December 6, 2020] 今回の苦境では経済理論は主役をおりている この前 Twitter でジョークをつぶやいた.この10年でマクロ経済学がどう変わったかってネタだ: ・2010年のマクロ経済学: 「確率的均衡を定義する要因は右のとおりである―――消費経路(…),物価(…),賃金(…),政策の各種変数(…).政策変数には次のようなものがある(以下略)」 ・2020年のマクロ経済学: 「みーんなにお金あげろー.みーんなにお金あげろー.みーんなにお金あげろー.みーんなにお」 もちろん,学術的なマクロ経済学をやっている人の誰一人として,ただひたすら文字通り「みーんなにお金あげろー」と叫ぶばかりの理論系論文を公表してなんかいない.でも,政策の水準では,〔2008

    ノア・スミス「新しいマクロ経済学:「みんなにお金あげろ」」(2020年12月6日)
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    sgo2 2020/12/17
    実質的価値だけに着目するなら、貧富を問わず資産に課税して配布するのと同じ事のはずだけど、物価や賃金に反映される速度や、資産家だけが素早く適応する(できる)事が問題になるかも。