【ナイロビ=古谷祐伸】アフリカの最貧国の一つマラウイで、公的年金制度を創設する法案が、国民の反発を招いている。年金の支給が始まる年齢が、平均寿命よりも上に設定されているからだ。 現地からの報道によると、年金法案は、労働者が年金保険料を支払い、定年退職後に受け取るというもの。労働大臣は「老後が楽になる。今まで会社員は、退職時に企業からラジオや毛布などの記念品をもらうだけだったのだから」。 ところが問題は、年金を受け取れる年齢。女性が55歳、男性は60歳に設定されている。世界保健機関によると、貧困やエイズの広がりに苦しむ同国の平均寿命は53歳(2008年)。 労働組合側は「60歳まで待たせるのは詐欺」と批判し、45歳程度までの引き下げを求めている。19日には首都リロングウェで抗議デモも実施し、約300人が参加した。 一部企業が運用する貯蓄制度が、公的年金の基金に取り込まれるとの情報も流