ロシア政府系天然ガス企業ガスプロムが2日に発表した2023年12月期決算は、最終損益が6291億ルーブル(約1兆500億円)の赤字に転落した。前の期は1兆2300億ルーブルの黒字だった。ガスプロムが最終赤字を計上したのは1999年12月期以来、24年ぶり。3日付のロシア紙ベドモスチなどが報じた。 22年に開始したウクライナ侵攻に伴う欧州向け天然ガス輸出急減が原因とみられる。歳入の4割程度を石油・天然ガス収入に依存するロシアの財政に影響を与えそうだ。 侵攻後、天然ガスを欧州に送る海底パイプライン「ノルドストリーム」で爆発が起きガス輸出が停止。欧州各国が原油やガスの「脱ロシア依存」を打ち出し、ウクライナ領内のパイプラインを通じた輸出も急減した。 ベドモスチによると、パイプラインを通じたロシアの天然ガス輸出は23年に約30%減少、平均価格も約60%下がったという。(共同)