ソニーとパナソニックが家電メーカーの枠に収まらない新たな企業像を打ち出している。米ラスベガスで今月開かれた世界最大級のIT・家電見本市「CES」では、ソニーは従来の製品中心の展示を改め、エンターテインメントの力を全面的にアピール。パナソニックは自動車から家電、ITまで、特定領域に絞らない幅広い展示で事業範囲の広さを見せた。こうした多様性は両社が生き残る道を示すと同時に、日本の電機産業の方向性も示唆する。 ソニー、技術でクリエーターに貢献 「ソニーは『クリエイティブ・エンタテインメント・カンパニー』だ。我々の技術と製品で、クリエーターに貢献する」―。ソニーの吉田憲一郎社長は、CESで高らかにこう宣言した。会場で開かれた会見では、ソニーの映画や音楽、アニメ部門のトップが次々と登壇。ソニーの技術や製品がコンテンツ制作にいかに寄与しているかを語った。 さらに著名アーティストのファレル・ウィリアムス