菅直人新首相の人事構想がほぼ固まったが、新政権にどろどろとした内紛の兆しが見え始めた。焦点は枝野幸男行政刷新担当相の幹事長抜擢。菅氏にとって、小沢一郎幹事長の影響力排除を内外に示すための目玉人事だが、意外なことに反発したのは菅氏の側近たちだった。8日の組閣を前に新首相は早くもジレンマを抱えてしまった。(船津寛) 「選挙の顔として戦う意味でふさわしい」 菅氏は5日夜、首相官邸で記者団に枝野氏の起用について、こう胸を張った。だが、決定までは紆余曲折の連続だった。 5日午前、民主党本部8階の党代表室。菅氏は荒井聡、土肥隆一、平岡秀夫、笹木竜三の4衆院議員と向き合った。4人は野党時代から「いつか菅氏を首相に」と支えてきた側近中の側近だが、「枝野幹事長」に反対だった。