話題になっていた東大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授の衆議院厚生労働委員会での証言だが、放射線医学総合研究所が「尿中セシウムによる膀胱がんの発生について」を公表し、その内容について問題点を指摘し、「チェルノブイリ事故では小児甲状腺癌以外の放射線被ばくによる健康影響のエビデンスはないと結論付けられており、これが現在の世界的なコンセンサス」だと確認している。市民団体などでは放射能物質の危険性を示す証言として捉えていたので、福島第一原発の災害・事故による周辺汚染の議論に一石を投じるかも知れない。 1. 児玉教授の国会証言による主張 児玉龍彦教授の主張は多岐に渡るのだが、あえて整理すると次のようになる。(1)広範囲に放射能汚染が発生しており総量も多く今後も残存する。(2)放射能による内部被曝の危険性は後日に立証される事があるため安全とは言えない。(3)放射性物質の拡散地域は複雑なので、現在