英国中部のスタッフォードシャー州にある「チェイスグラマースクール」は、1879年創立の由緒正しいパブリックスクールだ。伝統的な英国式教育を採用し、「国内高校ランキング100」にも入る。寄宿生の学費は、年間3万6600ポンド(約620万円)と超高額だ。だが、昨年この名門校が中国企業に買収されて物議を醸した。 実を言うと、中国人による買収騒ぎはこの一校に限ったことではない。英国式教育に憧れている中国人は多く、近年、子供を英国の私立校に通わせる富裕層が急増している。そこに商機を見つけた投資家が、中国人が海外で日用品や家電を買い漁る“爆買い”よろしく、私立校を次々と買収しているのだ。 昨年3月には、ダイアナ元妃の母校「リドルズワースホール」も中国企業と買収契約を結んだ。英国私立学校協会のニール・ノスキーによれば、ほかにもいくつもの私立校が買収の協議に入っていて、中国人経営の私立校は今後ますます増え