→紀伊國屋書店で購入 「130年後のバード『日本奥地紀行』」 イザベラ・バードは一八三一年生まれの富裕なイギリス人女性である。イギリスのレディー・トラベラーの第一人者として知られており、日本には明治一一年にやってきて、日光から新潟、そして北海道のアイヌ村まで、馬車と徒歩で歩いた。それが『日本奥地紀行』であり、妹に宛てた書簡を集めたものである。この手紙には、スケッチも掲載されており、当時を忍ばせる。 しばらく前にNHKラジオの朗読の時間で、バードの手紙の朗読をしていて、ウォーキングをしながら楽しく聞いた。日光あたりのすぐに思い浮かべることのできる景色や建物(金谷ホテル)もあれば、まるで異国ではないかと思わせるような記述もある。とくに当時の日本の村人たちの描写を読むと、あっけにとられることもある。 この書物は、街道歩きの第一人者である著者が、同じく徒歩と自転車で、バードの歩いた道筋を訪問し、多