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ブックマーク / garth.cocolog-nifty.com (41)

  • [この殺人本がすごい] 高田耀山『仁義の報復』 - 映画評論家緊張日記

    関根元の「埼玉愛犬家殺人事件」といえば風間博子の無罪主張とか、共犯者山崎永幸の証言とか、いろいろ謎の多い事件として知られているが、これに関して新しいが出た。なんと関根に「透明にされた」ヤクザの組長による暴露である。高田耀山『仁義の報復』(竹書房)である。いきなり開くと 「実はわたしは座禅と瞑想を続けたおかげで、チャクラが覚醒している。チャクラが覚醒した者のみが見える眼で関根の犯行がわかったのだ」 とか書いてある。第三の目が開いたヤクザなのか! しかもこの高田組長(稲川会の直参で、部づとめもしているかなりの大物である)、アフリカケンネルからライオンやトラを購入し、関根とは直接面識もあったというのだから期待はさらに高まる。十人以上殺しているという関根の真実ははたして暴かれるのか? 高田によれば、遠藤(殺された組長代行)の失踪後、第三の目で関根が怪しいと見抜いた高田は、部下に命じて関根とつ

    [この殺人本がすごい] 高田耀山『仁義の報復』 - 映画評論家緊張日記
  • 追悼・鈴木則文 - 映画評論家緊張日記

    映画監督・鈴木則文氏がお亡くなりになりました。謹んでお悔やみ申し上げます。思えばぼくが最初に鈴木則文監督にお会いしたのは2004年のことでした。映画秘宝でロングインタビューをさせていただく機会があり、お時間をいただいたのです。その後、金沢で〈エンタテイメントの極意〉として特集上映があるときにご一緒させていただきました。何度かインタビューをさせていただいたり、酒席でご一緒させていただいたりのご縁でした。 監督ご自身のご意向もあり、残念ながらまとまったインタビューにはならなかったのですが(監督はいつも、「映画は花火なんだから、ぱっと打ち上がって終わるもんだよ」とおっしゃってました。含羞の人でしたから、「作家」として持ち上げられるのがこそばゆかったのでしょう)、折に触れて聞いた話がだいぶたまっていますので、これはいずれなんとかしなければならないと思っています。何よりも、明朗で優しく冗談好きで、誰

    追悼・鈴木則文 - 映画評論家緊張日記
  • Fashion Beast - 映画評論家緊張日記

    なんとアラン・ムーア&マルコム・マクラーレン作!というFashion Beastだが、これはなかなかに奇妙な経緯をたどって世に出ることになった。もともとはムーアがマクラーレンに誘われて映画企画に参加、二人の原案でムーアが脚を書いた。当然のことながらこの企画は頓挫し、脚もどこかへ消えてしまった。ところが最近になってその脚が浮上。ムーア自身はほとんど興味をなくしていたのだが、コミックへの脚色は拒まなかった(たぶん税金問題とかそのへん)…というわけでムーアの脚がアントニー・ジョンソン&ファカンド・ペルシオによるコミカライズとして帰ってきたわけである。当はムーアの脚を読みたかったんだけど、これでもまあ、だいぶ感じはつかめる。 舞台はひきこもりの天才ファッション・デザイナー、セレスティーヌが君臨する「館」。誰も姿を見たことのないセレスティーヌは暴君として君臨し、その意志を伝えるのは双子の

    Fashion Beast - 映画評論家緊張日記
    shidehira
    shidehira 2014/04/24
    "ムーアが映画脚本を書くと急に世界が閉じてしまう。コミック脚本のときはむしろ遠心的に広がっていくので、この違いは興味深い"
  • 柳下毅一郎の皆殺し映画通信 - 映画評論家緊張日記

    唐突ですが、Webマガジンをはじめることにしました。 柳下毅一郎の皆殺し映画通信というタイトルで、毎週更新予定です。中身はもちろん邦画のレビューです。みなさんが知らない恐ろしい日映画の世界をレビュウしていきます。タグマ!から発行することになりました。 まあ、これまで思いつきでやっていたことを有料Webマガジンでやろうということです。そう、申し訳ないけど有料です。月¥315。当は無料にすべきなんでしょうが、なんせ仕事にしないと手が動かない体質なので申し訳ないですがお付き合いください。コーヒー一杯分くらいには楽しめるものにするつもりです。当座はぼくのエントリが中心になりますが、今後はいろいろネタを増やしていくつもりなので、お楽しみに。

    柳下毅一郎の皆殺し映画通信 - 映画評論家緊張日記
  • もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(2011) - 映画評論家緊張日記

    監督:田中誠 出演:前田敦子、峯岸みなみ 公式サイト 「もし蓮實重彦が『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(2011)』を見たら」という評論を書きたくなったがもちろんそんな面倒臭いことはしない。初日に劇場に行ったらガラガラだった。国民的アイドルだというAKB48のファンはどこにいるのだ!? やはり映画入場券の半券でAKB総選挙に投票できるようにするとかしないといけなかったのではなかろうか? その意味で、まだまだこの映画作者たちは顧客のことを考え抜いていないと思わずにはいられない。ちゃんとドラッカーに学んでいるのか? さて、原作自体はどうしようもない一発企画ネタ。映画はいくらか知恵を使っているようではあったが、しょせんは副音声+字幕の寝ていてもわかる方式映画(難病おまけつき)。 映画を見ていて思ったのだが、これ、最大の問題はチームが強くなるプロセスにまった

    もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(2011) - 映画評論家緊張日記
    shidehira
    shidehira 2011/06/05
    「国民的アイドルだというAKB48のファンはどこにいるのだ?」/『水の中の八月』だって中洲の劇場初日はガラガラだったけど、IMSのイベント行列だったからなぁ。
  • 人魚伝説(1984) - 映画評論家緊張日記

    監督:池田敏春 出演:白都真里 シネマヴェーラ渋谷にて 初公開時以来の再見。学生時代にもっとも強烈に影響を受けた映画の一である。もう一はジャン=ジャック・ベネックスの『ディーバ』。どちらも「青い」映画だ。つまりそれは説話的ではなく審美的な映画だということであり、そして(蓮實重彦の薫陶によれば)審美的な映画は排されなければならなかった。というのも審美的な映画はつねに退廃するからである。実際、ベネックスも池田敏春も退廃してしまった。だが、にもかかわらず、この一は永遠だ。白都真里のあまりに美しい潜水シーンも、ラストの強烈なスプラッター・アクションも、おそらくは(説話的な機能から言えば)過剰すぎ、だがそれゆえに歴史に残ったのだ。過剰さこそが映画だ。そのことを改めて教えてくれたのが『人魚伝説』だった。 舞台が伊勢志摩だったことも、白都真里が逃げる先が渡鹿野島であることも、見直すまで忘れていた(

    人魚伝説(1984) - 映画評論家緊張日記
  • E組 日本3-1デンマーク@Rustenburg - 映画評論家緊張日記

    (または南アフリカのがっかりドッグ) ルステンブルクのスタジアムに近づきながら、当にこんなところにスタジアムがあるのか?と思わずにはいられなかった。そこに広がっていたのはただの田舎町。二階建ての建物すらなく、農家の前を野良犬がうろうろしているだけ。ほとんどメキシコの田舎町かと思った。ロイヤル・バフォケン・スタジアムも無骨なコンクリート造にプラスチックの椅子が据えつけられた実用位の陸上競技場。おそらくは全会場の中でも最低ランクである。でも、南十字星の下、月光を浴びるスタジアムはこよなく美しかった。こことそっくりの異国のスタジアムのことを思い出さずにはいられなかった。そこ、マレーシアはジョホールバルの陸上競技場とともに、ルステンブルク・スタジアムも忘れがたい場所になった。 デンマークは強かった。日が細かいパス回しで突破しようとしても、すぐに守備網にひっかかってしまう。攻撃はシンプルなパス

    E組 日本3-1デンマーク@Rustenburg - 映画評論家緊張日記
    shidehira
    shidehira 2010/06/26
    はてなhttp://d.hatena.ne.jp/garth/は全く遺棄されてしまったようだ。
  • 古本&せんべろツアー - 映画評論家緊張日記

    きっかけはとみさわさんのblogのつくたま古ハンティングの記事を見て、京浜東北線方面のまだ見ぬ古屋に思いを馳せ、「そんな感じで古とせんべろのツアーやりてえな」とtwitしたことだった。こういうネタには即座にいつく安田理央の提案で、赤羽を皮切りに京浜東北線ぶらり古&せんべろの旅に出かけることになったのだ。 この三人のいいのは収集分野がまったくかぶっていないこと。安田さんはエロ、とみさわさんはモンド物件、とお互い趣味がはっきりしてるので、店に入るとさっさと三方に別れて物色をはじめるというわかりやすさ。で、お互い戦利品を持ち寄って比べあったとき、その貴重さがわかるくらいには知識がある、というのが理想的であった。 笑ったのはスタート地点、赤羽である。『東京都北区赤羽』を面陳しているブックストア談赤羽店の素敵な棚を鑑賞したのちブックオフに寄り、すぐ隣にあった山遊堂をのぞくとなんと三日前に閉

    古本&せんべろツアー - 映画評論家緊張日記
  • 審理 (2009) - 映画評論家緊張日記

    監督:原田昌樹 出演:酒井法子、星野真里、田中圭 企画・制作:最高裁判所 最高裁判所制作による裁判員裁判PR映画。これだけならなんということもないはずだったのが、ヒロインの酒井法子が覚醒剤取締法違反で逮捕状が出て逃亡中(8/8現在)となったため、使用を停止。ホームページも閉鎖し、DVDの貸し出しも停止という封印状態になってしまった。何もなければたぶん一生かかわりをもたなかった映画だが、こうなると見ないわけにはいかないな……と図書館から借りてきた(笑)。 監督はウルトラマンティガなどを撮っていた原田昌樹。その件にも絡んで、切通理作氏がアピールを出している。 昨日、最高裁は酒井法子主演、故・原田昌樹監督の裁判員制度広報用映画『審理』の配信及び公共施設での貸し出し、および上映活動の中止を決定したというニュースを知りました。 私はただいま、ライターとして原田監督の遺された言葉を集め、関係者の証言を

    審理 (2009) - 映画評論家緊張日記
  • 有害図書指定 - 映画評論家緊張日記

    先に刊行された『Murder Watcher vol.5 殺人大パニック!』が福島県教育委員会から有害図書指定を受けたと連絡があった。洋泉社でははじめてのことだという。『萌え萌えお仕置きアイテム辞典』や『多重人格探偵サイコ』などと並ぶと、なんとなく達成感があるのが不思議だ。ちなみに「著しく青少年の自殺又は犯罪を誘発し、その健全な育成を阻害する恐れがある」そうである。おかしいなあ。我々としては日々健康優良不良少年の育成をめざしているのだが。 先日開かれた編集会議では、この指定を重く受け止め、今一度初心にかえって青少年健全育成のために活動してゆくことが確認された。そのため次号は少し間をおいて年内刊行予定。福島県犯罪史を大特集する。いや、福島はいいのがいろいろあるんですよ。全六巻のすばらしい『福島県犯罪史』なんてまであるくらいの犯罪先進県ですからね。乞うご期待!

    有害図書指定 - 映画評論家緊張日記
    shidehira
    shidehira 2009/06/23
    「犯罪先進県」福岡に住んでいると妙にきになる。
  • 映画芸術フェア@ジュンク堂新宿店 - 映画評論家緊張日記

    ジュンク堂池袋店ではじまった映画芸術+nobodyのフェアだが、場所が変わって今度はジュンク堂新宿店。色紙も運ばれてきた。 おや? なんか一枚色紙に書かれている文字が変わっているような? こういうのなんていうんだっけ? キジも鳴かずば撃たれまい、だっけ? まあトラックバックも送ってこないようなものは無視しようと思っていたのだが、コメント欄でも書かれているので、一応返答しておく。第二次惑星開発委員会NEWSでは 「オレの中にある悪意はルサンチマンという言葉で表現されるものとはちょっと違うと思うな。」 …そうかなぁ? ------------------------------------- 6/2(水) わかったよ、オレは。要するに正義は向こう(行定&柴咲)にあるんだ。あいつらが世間というものであり、あいつらが正しいのが世の中というものなんだ。そして『世界の中心で、愛を叫ぶ』連中を見た瞬間に

    映画芸術フェア@ジュンク堂新宿店 - 映画評論家緊張日記
    shidehira
    shidehira 2009/06/10
    おもいっきりブーメラン。
  • Esquire Japan Farewell Party - 映画評論家緊張日記

    Esquire日版もとうとう年七月号をもって終刊。日は終刊記念のパーティ。というかオープンオフィス。青山一丁目の豪華なオフィスを訪ねてきた。 Esquireの休刊については、もっぱら金融危機と広告費削減がらみで語られがちなんだけど、実は休刊号まで含めてかなり広告は入っていた。Esquire単体では最後まで黒字だったという。だから危機はどちらかというと会社(Esquire Magazine Japan)自体の問題で、とりわけ半年でつぶれちゃった女性誌の失敗とかが響いたらしい。黒字とは言ってもこのバブリーなオフィスと大勢のスタッフを支えきれるほどではなかったということだろうね。 ぼくとしても十年以上書いてきたホームグラウンドだけに寂しい。最初に招いて書かせてくれた美人編集者T嬢のことを思い出し、少々センチな気分になったりもする。ところでパーティで久しぶりにあった美人映画ライターK嬢がお腹

    Esquire Japan Farewell Party - 映画評論家緊張日記
    shidehira
    shidehira 2009/05/27
    つうことは『シネマハント』な本がでる頻度が減るってことか
  • GOEMON (2009) - 映画評論家緊張日記

    監督・脚・撮影監督・編集・出演:紀里谷和明 出演:江口洋介とCGのみなさん 5/1公開 オレにコピー書かせてくれたら「ついにPS2を超えた驚異の新世代映像!」とか「これは『GOEMON』ではない、GOUMONだ!」とかいろいろいいのを考えてあげたんだが。まさか『CASSHERN』よりもつまらない映画を作ってくるとは思わなかった。「キリキリ、おまえに底はあるのか!?」 「ぱんどらのはこ」の意味が違わねえか?とか、いまどきゲームでもあの草原はねーよとか、CGの人間が走ってるのを真横から撮るのやめようよ、ハイパーオリンピックじゃないんだから!とか、広末、光あてすぎて顔の凹凸がなくなってるよ!とかいろいろあるわけですが、いちばん言いたいのはね、キリキリ、飛び上がった人間が月にかかるのってやめようよ。それ格好いいと思ってるみたいだけど、ダサイから! 『E.T.』のときだってダサイものだったんだから

    GOEMON (2009) - 映画評論家緊張日記
    shidehira
    shidehira 2009/05/04
    「キリキリ、おまえに底はあるのか!?」
  • レインフォール/雨の牙 (2009) - 映画評論家緊張日記

    監督・脚・擬闘:マックス・マニックス 出演:椎名桔平、長谷川京子、ゲイリー・オールドマン 公式サイト いやーこれはすごい。ぼくもいろいろすごいものを見てきたが、ひょっとしたらこれは今年ナンバー1かもしれない。それくらいすごい。どのくらいすごいかというと…… ……とやかくあって、ジャズ・ピアニストの長谷川京子のコンサートに元秘密工作員の事件屋椎名桔平が訪れる。休憩時間に「実はオレはジャズ雑誌の編集者なのだが、取材させてもらえるか」と持ちかけると、ハセキョーは「えー? ハンサムな人?」などとウキウキで迎える。実はこのとき、三週間前にハセキョーの父(国交省の高級官僚)は通勤中に突然心臓発作を起こして死に、この前日には家に何者かが侵入してハセキョーの妹は射殺されているのである。そうした状況でライブやってるハセキョーってなんなの!? で、会うとキッペーはいきなり 「きみは命を狙われている、オレを信

    レインフォール/雨の牙 (2009) - 映画評論家緊張日記
  • 目白雑録3 - 映画評論家緊張日記

    金井美恵子のエッセイ集第三弾。実は珍しく文芸誌に書いた原稿が金井美恵子の目に留まってネタとして料理されてしまったのである。中原昌也が芥川賞候補になったときの待機宴会ルポを〈小説トリッパー〉に書いたのだが、それが「菊池寛の呪縛」と題する回で取り上げられているのだ。 むろん、「特別企画 中原昌也の現在」の二つの「芥川賞選考当日ドキュメント」は、かなり遠回しの芥川賞選考についての批判をこめた、仲間同士の友情と中原の小説に対する支持に満ちた楽しいお祭り騒ぎの集いの顛末を報告した読み物なのであり、新潮社クラブで選考結果を待って中原のために集まっている人たちは「なんらかの正義が来たりうることを期待しているよう」で、そのせいで「理由なき多幸感はいや増し、「もしもこの世に正義があるなら、天は我らに勝利を授けてくれるはず、中原昌也に芥川賞を与えてくれるはず」で「他の候補作など読んでいない(読む気もない)が、

    目白雑録3 - 映画評論家緊張日記
  • ミルク (2008) - 映画評論家緊張日記

    [メルマガ] ガース柳下氏の有料メルマガ (Hagex-day.info) Jリーグ 第6節 FC東京戦 (鹿島アントラーズ原理主義) ■サッカー映画の祭典「ヨコハマ・フットボール映画祭2011」開催! (Viva La Vida! <ライターCheese の映画やもろもろ>) 「エリックを探して」 (RAY's Favorites) 【誰かが私にキスをした】、ただ一つ特筆すべきは・・・。 (この世界の憂と気紛れ) 「空気人形」@関東/中部/北海道 (映画コンサルタント日記) 映画『空気人形』(お薦め度★★) (erabu) 遠藤賢司 「第二回純音楽祭り」@Club Quatro (音楽) 「しんぼる」 第5位 (映画コンサルタント日記) [cinema]映画芸術フェア@ジュンク堂新宿店 (たまとわ (We don’t need no education))

    ミルク (2008) - 映画評論家緊張日記
    shidehira
    shidehira 2009/04/18
    読んだ。ちょっと意外だった。
  • Murder Watcher 殺人大パニック! - 映画評論家緊張日記

    shidehira
    shidehira 2009/04/17
    定額給付金が出たら買う
  • ウォッチメン(2009) - 映画評論家緊張日記

    朝日新聞の映画評を再録。 アメリカはヒーローの国である。悪をくじき、正義を執行するヒーローこそがアメリカの美しき理想だ。だが、その正義とはなんだろう? 「ウォッチメン」はアメリカン・コミックを原作とするヒーロー映画である。ただし「ウォッチメン」とはスーパーマンやバットマンのようなヒーローの名前ではない。タイトルはローマの風刺作家ユウェナリスの警句から取られている。すなわち「見張り番(ウォッチメン)を見張るのは誰か?」ヒーローは当に正しいのか? 舞台は現代とよく似た異世界。その世界にはかつて悪と戦うヒーローたちがいた。だが、超法規的な犯罪者退治を禁じる法律ができたため、彼らの活動は禁じられる。ある者は政府の紐付きで秘密工作員となり、ある者は身分を隠したまま引退する。あるいは法律を無視して非合法の自警活動を続ける者もいる。そんなヒーローの一人、ロールシャッハは一人の男の死に疑問を抱いて調査を

    ウォッチメン(2009) - 映画評論家緊張日記
  • 闘う時評 - 映画評論家緊張日記

    ブクマコメントでも指摘されてるんだけど、昨日の飲み会で『週刊新潮』のコラムで福田和也が『旭山動物園』を絶賛していると聞き、思わず買ってきてしまった。 いや、福田和也が政治で人を褒めることはあるのわかってるんだけど、津川雅彦を「現役最高」とまで書いて、どういう政治的利得があるというんだ!? しかもルビッチやヒッチコックを引き合いに出してまで! ちなみに福田は「どんな監督だって、ルビッチであれ、ワイルダーであれ、ヒッチコックであれ、なかなかデビューから三作連続して傑作を世に問えるものでありません」とか書いてるわけだが、あんた、ルビッチの監督第三作って見てるの? たぶん1915年の短編一巻ものだと思われるわけですが(もちろん、ぼくは観ていません)。 「マキノ作品は、ファーストシーンが凝っていますが、今回も意表をつかれました。チリトリに死んだカブト虫を寄せていって、生きている一匹を押し入れに投げ入

    闘う時評 - 映画評論家緊張日記
    shidehira
    shidehira 2009/02/25
    新潮だったら何言っても良い攻撃?
  • 老人動物園 ペンギンが空を飛ぶ (2009) - 映画評論家緊張日記

    監督:マキノ雅彦 出演:西田敏行、中村靖日 公式サイト 行動展示で有名な旭山動物園のPR映画だから、当然きゃわいい動物がわんさか出てくるんだろうな……と思って暗い気持ちで見に行ったが、マキノ雅彦(津川雅彦)のボケっぷりはそんな甘いレベルではなかった! これ、基は園長・西田敏行とその周囲の飼育係の人間ドラマなんだが、そのメンバーが凄い。長門裕之、岸部一徳、塩見三省、六平直政、榎明……ってここは動物園じゃなくて養老院じゃないか!?と思わせる大老人大会。 で、この面々がちっとも有能じゃなく、とりわけチンパンジーの飼育係長門裕之にいたっては、自分がチンパンジーの妊娠に成功したからって、ゴリラの飼育係岸部一徳を馬鹿にする始末。「(雌ゴリラの)マリはおまえのことを旦那だと思ってるからな!」からかわれた岸部一徳はすねてゴリラの檻に閉じこもる(子供か!)。しまいにゴリラの飼育係を降りてしまう。ふられて

    老人動物園 ペンギンが空を飛ぶ (2009) - 映画評論家緊張日記