5月16日の深夜、ソウルからの飛行機でバンコクに入った。タイは5月14日、下院の総選挙があった。変革を訴え、バンコクや若い人たちの指示を集めた前進党が152議席、赤派といわれる貢献党が141議席。このふたつの野党の議席を集めると下院500議席の過半数をはるかに超えた。 通常ならここで与党から野党への政権交代のシナリオが描かれるが、タイはそう簡単にいかない。首相指名には、現在の軍事政権の流れを受けた与党が選んだ議員250人が加わる。つまり下院500議席に250議席が加わるから、野党は375議席を確保しないと野党の首相を選出することができない。 しかしこの現在の与党系250議席は移行措置のなかで決まったもの。来年にはその期限が切れる……。 いまタイの政局は水面下で進んでいる。連立工作が盛んに行われている。与党がどう形成されるかが見えてくるのはしばらく先だ。 なぜこんなにもややこしいことになった