村上春樹氏が『文藝春秋』誌最新号に、3年前肺ガンで亡くなられた編集者、安原顕さんについての記事を書いていることを知った。 いやな予感がした。お二人ののあいだにトラブルがあったことは知っていたので、気持ちのいい記事が読めるとはとうてい考えられなかった。 けれど、読まずに放っておく気持ちにもなれない。小見出しに「生原稿流失...」などという文字が踊っているではないか。 やはり目を通さずにはいられないのだ。 記事の感想を書く前に、安原顕さんについて、いち読者の立場からではあるがご紹介しておかねばならない。 村上氏の記事で安原さんのことを誤解されては困るなあ、という思いがある。 安原顕さんはおもに(もう死語だろうけど)「純文学」の作家たちと仕事をした名物編集者である。 中央公論社に在籍していたころは『海』、『マリ・クレール』を手がけ、村上春樹氏の翻訳作品、吉本ばななさんの『TSUGUMI』などを世
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